岐阜

県内市町村長選、直前展望

2015年4月16日

 統一地方選後半戦では、市長・市議選が十九日、町村長・町村議選が二十一日にそれぞれ告示される。県内では八市町村長選と十七市町村議選が行われる。本番を目前に控えた後半戦の現状を、二回に分けて紹介する。

◆山県市長選

林宏優 63 無現<1>

 三人が出馬した前回から一転、今回は二期目を目指す現職の林以外に立候補の動きはなく、無投票で再選となりそう。

 林は自民、公明、民主の各党や市商工会政治連盟、連合岐阜などからも推薦を得て、市議の大半も支持する。

◆瑞穂市長選

堀孝正  73 無現<2>

棚橋敏明 65 無新

鳥居佳史 60 無新

 現職の堀、新人で市議の棚橋、建築設計業の鳥居による三つどもえの戦い。

 三期目を目指す堀は、既に事務所開きを済ませた。近隣自治体の首長や地元市議ら約三百人の前で、教育環境整備や高校生までの医療費無料化を訴えた。

 棚橋は所属する自民党系の市議会最大会派の支援を取り付け、自民党から推薦も受けた。支持拡大に向けて、業界や後援者らにあいさつ回りを続ける。

 鳥居は市民派を前面に打ち出し、活動を支えるサポーターとともに後援会の案内を配ってきた。駅前での街頭演説も繰り返し、知名度向上を図る。

◆多治見市長選

古川雅典 62 無現<2>

 現職の古川が二回連続で無投票当選を果たす見込み。

 古川は「消滅可能性都市」を返上しようと、JR多治見駅を中心とした再開発に着手。三期目に向けて百を超える団体の推薦を取り付け、着々と地盤を固める。他に立候補の動きはない。

◆土岐市長選

加藤靖也 60 無現<1>

加藤修  42 無新

 再選を目指す現職の加藤靖也と、元名古屋市議で新人の加藤修の一騎打ち。市西部を縦断する県道沿いに、一キロ余を隔てて事務所をそれぞれ開設した。

 加藤靖也は市政報告のチラシを配り、企業誘致やJR土岐市駅前の県道整備を実績としてアピール。新庁舎の建設や駅前広場の整備、イオンモール進出への備えを重点施策に掲げる。自民、公明の推薦を受けている。

 加藤修は街頭演説を中心に活動。市立総合病院の改革や産婦人科の設置、駅前の活性化を訴える。現市政は情報発信が不十分だとして「開かれた市政」も唱える。推薦は一部の自治会と製陶業団体から受けている。

◆垂井町長選

中川満也 60 無現<3>

井上正貴 49 無新

藤墳理  54 無新

 四選を目指す現職中川と、新人の井上、藤墳が立候補を予定し、八年ぶりの選挙戦となる。

 中川は、まちづくり基本条例の制定や資源回収施設の設置など三期十二年の実績を強調。他市町の首長や、地元財界からの支援も受ける。

 井上は、子育てや教育の支援を重点に掲げるなど、学習塾経営や公民館長の経験を生かした施策を練る。住民との対話に力点を置き、浸透を図る。

 二期八年務める町議からの転身を狙う藤墳は、現職の多選を批判しつつ、社会福祉の充実を軸に訴え。駅前のつじ立ちなどで支持拡大を急ぐ。

◆安八町長選

堀正 59 無現<1>

 四年前に三つどもえの選挙を制した堀が、二期目を目指す。

 名神高速安八スマートインターチェンジの建設を推進してきたことや産業振興の実績を訴え、地元の結(むすぶ)地区以外での支持拡大も狙う。他に立候補の動きはなく、無投票となりそう。

◆坂祝町長選

南山宗之 59 無現<2>

和田雅彦 55 無新

 三選を目指す現職の南山と、新人で町議長の和田の一騎打ちで、八年ぶりの選挙戦となる。

 南山は、町内の三菱自動車子会社「パジェロ製造」の出身。連合関係の人脈や町商工会の支援を生かし、取り組んできた防災対策の継続と推進などを掲げ、支持を訴える。

 和田は二〇〇七年の町長選で南山に敗れ再挑戦。町政の積極的な情報発信などを訴え、地元の酒倉地区を基盤に町内のボランティア、スポーツ団体などを通じて浸透を図る。

◆白川村長選

成原茂 61 無現<1>

 現職の成原が出馬表明。他に出馬の動きはなく、無投票となりそう。

 成原は、企業誘致や福祉サービスの充実など、一期目の実績をアピールする。

 (敬称略)

 (統一地方選取材班)