<県議選終盤情勢>(上)岐阜地区、飛騨地区
2015年4月10日
県議選(定数四六)の論戦も、あと二日となった。選挙戦に入った十五選挙区では、計三十一議席に五十一人が立候補。各選挙区の情勢を紹介する。
◆読めぬ当選ライン 岐阜市選挙区(定数九−12)
笠原多見子 49 無元<3>
若井敦子 43 自新
道家康生 46 無現<1>
広瀬 修 44 自新
玉田和浩 71 自現<6>
中川裕子 34 共新
水野吉近 51 公現<1>
平野智久 42 無新
渡辺嘉山 57 民現<4>
長屋光征 35 自現<1>
太田維久 46 民現<2>
澄川寿之 35 公新
出馬した十二人のうち、保守系候補が七人を占めて乱戦模様。さらに自民が立てた新人若井は強固な支持組織はない一方、元空手選手として知名度は高く、得票次第で当選ラインが上下することも予想される。各陣営とも警戒感を強め、運動を活発化させる。
笠原は県議、衆院議員時代の支援者を通じてミニ集会を重ねる。空手団体などに支えられる若井は、選挙カーで回って浸透を急ぐ。道家は地元の市南部以外でも個人演説会を開き、支持拡大に懸命。同じ市南部が地盤の広瀬は、自民市議の支援で保守票固めを狙う。
前回トップの玉田は自民票の分散を警戒し、全域で個人演説会。中川はネット上での訴えにも積極的で、党支持層以外も狙う。水野も支援母体の創価学会以外への浸透を狙う。平野は全域に選挙カーを走らせ、知名度の向上に躍起だ。
渡辺は、後援会や中小企業関連団体などが支える。長屋は地盤の北部のほか、西部、南部でも演説会を開催。太田は労組の支援を固めつつ、中心部で街頭演説を繰り返す。澄川は知名度不足を警戒し、組織の引き締めをはかる。
前回の当選ラインは約一万一千六百票。候補者が増えた今回は、誰かに票が集中すると大幅に下がる可能性がある。
◆票田高富に両候補攻勢 山県市選挙区(定数一−2)
恩田佳幸 32 無新
郷明夫 66 自現<1>
自民系分裂選挙区の一つ。両候補とも、有権者の六割が集中する旧高富町の票を狙う。
自民を離党した恩田は若者の定住支援の必要性を訴える。自民支持層への浸透も狙う。
自民公認の郷は、国、県とのパイプとして、自民議席を保つ必要性を強調する。
◆自民が分裂、保守票が鍵 瑞穂市選挙区(定数一−2)
篠田徹 54 自現<2>
森治久 54 無新
自民現職と、自民から無所属に転じた新人の一騎打ち。保守票がどう割れるかがポイントとなる。
篠田は各種団体の推薦を取り付け、市議会の自民系会派からも支援を受ける。
森は地元自治会を中心に支持拡大を狙い、政党支持なし層への広がりも目指す。
◆現職2人に新人が挑む 高山市選挙区(定数二−3)
川上哲也 51 無現<3>
高殿尚 52 自現<1>
小井戸真人 50 無新
自民と無所属の現職二人に、民主推薦の無所属新人が挑み、八年ぶりの選挙戦に。
川上は自転車遊説など草の根活動で、政党支持なし層にアピール。
高殿は秘書だった金子一義衆院議員の支持基盤に支えられる。
小井戸は、民主と県レベルで協力する維新の党も応援に入る。
◆各地盤から足場固める 飛騨市選挙区(定数一−2)
布俣正也 50 自新
高原邦子 57 無新
自民の公募で選ばれた新人と、選ばれず自民を離れた無所属新人による争い。
布俣は、地元の古川町で足場固めに力を注ぐ。
高原は神岡町が地盤。古川町の産廃計画阻止を強調する。
=敬称略
(候補者の並びは届け出順)