岐阜

15選挙区で論戦突入県議選告示

2015年4月4日

候補者の訴えに耳を傾ける支持者ら=岐阜市内で

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 三日告示された県議選(定数四六)。二十七選挙区に計六十六人が立候補し、雨が降る中、選挙カーで各地を回り、街頭でマイクを握った。無投票の選挙区は二〇一一年の前回から五つ減って十二に。ほかの十五選挙区は九日間の論戦に突入した。投開票は十二日。

 立候補者の内訳は、現職三十九人、新人二十四人、元職三人。

 自民党が、現有三十議席から上積みできるかが焦点。世代交代の遅れへの不満などから、擁立候補に自民系の元市議、町議が挑む「分裂選挙」を八選挙区で抱える。党勢を上向かせたい民主党は、候補を立てなかった維新の党県総支部の支援を受ける。公明党は二議席の維持、共産党は議席の回復を狙う。

 自民系の分裂選挙が相次いだ影響などにより、加茂郡や瑞浪市など六選挙区が前回の無投票から九日間の論戦に転じた。選挙戦が続く十五選挙区の計三十一議席を争うのは五十一人。党派別では、自民二十人、民主四人、公明二人、共産四人で、無所属二十一人のうち一人は自民の推薦、別の三人は民主の推薦を受けている。

 県議選は投票率の低下が続き、過去三回連続で最低を更新。前回は45・70%だった。期日前投票所は四日から十一日まで、市役所や町村役場など百十三カ所に設けられる。

◆強気自民に野党防戦 岐阜市選挙区

 県内で最多の定数九を十二人で争う岐阜市選挙区。議席増を狙う自民に対し、民主、公明は現有議席の維持を、共産は昨年末の衆院選出馬で失った議席の回復を目指す。

 現有二議席の倍増を目指す自民。現職の玉田和浩さんは「岐阜市の自民がもっとしっかりしないといけない」、長屋光征さんも「自民党議員としての責任を持って、選挙を戦い抜く」と気勢を上げた。いずれも新人の広瀬修さんは「県政与党に、岐阜市南部の県議がいない」とアピールし、若井敦子さんは「一人一人の声を県政に届けられる政治家を目指す」と決意を語った。

 国政での党勢回復がままならない民主は現職の二人が立候補。渡辺嘉山さんは「どんどん物価が上がり、生活が困窮している」と安倍首相の経済政策「アベノミクス」を批判。太田維久さんは「私の前を走っている人が十一人いるかもしれない」と危機感をあらわにした。

 公明は現職水野吉近さんが「現場の小さな声を県政に届ける」と強調。新人澄川寿之さんは「四十四年間続く公明党の二議席を命懸けで守る」と誓った。共産新人中川裕子さんは、県議会は「オール与党」だと批判し「野党唯一の議席を取り戻す」と力を込めた。

 政党対決に割って入る無所属は三人。現職道家康生さんは「議員はもっと住民意見を聞いて行動しなければならない」。元職笠原多見子さんは「経験、財産を生かして、県民のために働きたい」。新人平野智久さんは「地域の医療や介護、福祉を充実させる」と語った。

◆久々の選挙戦 加茂郡選挙区と関市選挙区

 久しぶりの選挙戦となったところも。自民系の分裂により、加茂郡選挙区(定数一)は二十年ぶりの選挙戦がスタート。

 自民現職の加藤大博さんは「私にとっても初の選挙戦。次の四年間を託す、その選択肢を示せる」と第一声。元川辺町議長で、自民を離党した無所属新人の矢田宗雄さんは「若者が選挙に関心がないのは、無投票選挙が続いていることが一因」と声を張り上げた。

 関市選挙区(定数二)は十二年ぶりの戦いに。自民酒向薫さん、無所属林幸広さんの両現職に自民元職の尾藤義昭さんが割って入った。

 ただ出陣式では、どの候補も「十二年ぶりの選挙戦」については触れずじまい。それでも久々の選挙戦に、有権者からは「無投票でマンネリ化していた。当選後に頑張ってもらうためにも、投票はするべきだ」との声が上がった。

 (統一地方選取材班)