県内8首長選の展望4市町村は無投票濃厚に
2015年3月24日
統一地方選後半戦で、県内では八市町村の首長選が行われる。四月二十六日の投開票日まで一カ月ほどとなって選挙戦の構図はほぼ固まり、半分の四市町村で無投票となる可能性が濃厚となってきた。
【瑞穂市】
現職の堀孝正(73)が三選を目指して立候補を表明し、市長との対決姿勢を強める市議会最大会派「新生クラブ」に所属する市議の棚橋敏明(65)と、建築設計業の鳥居佳史(60)も出馬する。
四年前の前回選も、堀と新生クラブ所属の市議が立って一騎打ち。昨年三月には市議会で、新生クラブが主導して堀が市道認定で親族会社に便宜を図った疑惑を調査するための百条委員会を設置。百条委は十二月に不正な便宜供与を認定したが、市は不正はなかったとする報告書を発表し、対立は決定的となった。
堀は今期での引退も考慮したとするが、百条委の結果を受けて立候補を決意。一方の棚橋は、市議会三月定例会までは市議の職責を果たすとして、閉会後の二十三日、正式に立候補を表明した。
鳥居は、市長と新生クラブの間で行われた百条委をめぐるやりとりについて「市政発展に何の役にも立たない」と、双方を批判している。
人口増に対応した子育て支援策やインフラ整備などが争点に上がるが、市長と市議会最大会派との根深い対立を、有権者がどう判断するかが焦点となりそうだ。
【土岐市】
再選を目指す現職の加藤靖也(60)に、同市出身で元名古屋市議の加藤修(42)が挑む。老朽化した市役所の建て替えやJR土岐市駅前の整備といった市の課題への主張は似通っており、現職の市政運営への評価が争点となりそうだ。
加藤靖也は市全体にあたる八地域後援会支部を設立し、自民、公明のほか、陶磁器工業組合やボランティア団体など二十前後から推薦を受ける。加藤修は地元のスーパーや飲食店の経営者、市議時代の後援者らが支援。土岐歯科医師会の推薦も受ける。
【多治見市】
現職の古川雅典(62)が、前回に続き無投票で三選を果たす見込み。
二期八年でトヨタ自動車やアマゾンを誘致し、教育、医療環境も整備。幅広い支持を受けている。
【山県市】
現職の林宏優(63)以外に出馬の動きはなく、無投票で再選となる見通し。
前回選で新人による三つどもえの激戦を制した林は、この四年間で行った財政再建の成果を強調。三歳以上の保育所無料化など子育て支援の拡充を掲げる。
◇ ◇
四町村で行われる首長選のうち、垂井町は現職に新人二人が挑む三つどもえ、坂祝町は現職と新人の一騎打ちの構図に。一方、安八町、白川村は現職が無投票当選となる見通し。 (敬称略)
(統一地方選取材班)