岐阜

<県議選>民主党

2015年3月16日

地道な活動の徹底を呼びかける県連代表の小見山幸治参院議員(右から2人目)=7日、岐阜市美江寺町の民主党県連事務所で

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 「立候補者が票を拾えるような活動をしてほしい」

 七日に岐阜市美江寺町の民主党県連事務所で開かれた、四月の統一地方選を前にした最後の会合で、県連代表の小見山幸治参院議員がげきを飛ばした。労組などの支援組織や企業へのあいさつ回りに、小まめな個人演説会の開催。求めたのは「地道な活動」の徹底だ。

 二〇一一年の前回統一選から四年。民主は政権の座から転落し、党勢の回復は見通せていない。もともと自民党が強固な支持基盤をもつ県内では、一二年と一四年の衆院選、一三年の参院選で、民主党から出たすべての立候補者が落選。最多で九人いた県選出の国会議員は、今、小見山代表だけになった。

 そんな党の凋落(ちょうらく)ぶりに、統一選を控える地方議員からは、民主の“看板”への危機感を訴える声がわき起こった。

 県議会の民主系会派は昨年夏、政治団体「新政ネットぎふ」を設立した。「新しい岐阜をつくる政策集団」と銘打ったが、実際は県議選の選挙母体。非自民勢力の結集をうたって、候補者の公募も行った。ある県連幹部は「民主色を薄めないと、新人候補が集まらない不安があった」と明かす。

 だが、二カ月の募集期間に集まった応募者はゼロ。“看板隠し”とも受け取れる行動は会派内で亀裂を生み、退会する議員も出た。「選挙対策が先行しすぎ、有権者には『政策集団』とは理解されなかった。今の集団は、有名無実化している」と県連幹部は振り返る。

 今県議選、民主が擁立したのは、前回選より一人少ない八人(公認五人、推薦三人)。一九九八年の結党以来、二〇〇七年と並んで最少だ。ただ、県連の伊藤正博幹事長は「党再生には、各地域に根を張る地方組織の強化が不可欠。統一選をその第一歩にしないと」と反転攻勢を見据える。

 県連幹部は“風頼み”の体質からの脱却の必要性を訴える。「岐阜では自民のような後援会、支援組織は簡単につくれない。ならば、政策で地域と結び付かないと。地元を回って丁寧に意見を聞き、政策に反映させる。そんな議員本来の仕事を、これからは徹底する必要がある」。そして、続ける。「民主を変えるには、まずは選挙で生き残らないと」 

 (統一地方選取材班)