<地方創生 私なら>(4)ミュージシャン・RYUREXさんの提言
2015年3月7日
RYUREXさん |
「岐阜にはきれいな山や川があるじゃないか」という人がいます。でも、ツアーで全国を回ると、豊かな自然は他の地方にだってあります。皆だってうすうす気付いているはず。だから「岐阜には何があるの」と聞かれると困ってしまう。
病気で昨年、MEGARYUの活動を休止後、岐阜でプロデュース業を始めました。若いアーティストをイベントに呼んだり、ファッションショーを開いたりしています。
僕の考える地方創生とは、地方をプロデュースする、ということ。住む人が愛せる地域にする。そのために「岐阜って、でら面白いやん」という気付きを提供したい。
エンターテインメントと呼べるもの自体が減っているんじゃないか。僕が高校生のころは、例えば岐阜駅近くで街の洋服屋さんが主催するイベントとかが結構あって。集まってくるお客さんも個性的で格好良かった。
でも、最近は、クラブに行っても右へ倣えで皆フードをかぶっていて、他人と違う服を着ようという人は少ない。新しいこと、人と違うことに臆病になっているような気がします。
イベントと言うと、「一日だけで終わりじゃん」と考える人もいるでしょう。でも、イベントだって花火や、ファッションショー、格闘技、グルメイベントなどいろいろある。絶え間なく打ち出していけばいい。アイデアはたくさんあります。
もちろん一人じゃできません。ステージで歌っていた時、自分はよく客席に降りることがありました。スタッフや音響さんの苦労は大変だったと思います。でも、結果としてライブは最高に盛り上がりました。皆で作り上げたからこそです。
岐阜の人って人情に厚いと思います。若いころ、飲み屋でおじさんが相席になった若者におごったり、通り掛かりの人が路上のけんかの仲裁に入ったりするのを何度も目にしました。イベントだって、必ず協力してくれる人が出てくるはず。
いったん面白いと感じれば、とことん付き合う。それが岐阜の人だと思っていますから。
(鈴木凜平)
りゅうれっくす 1976年生まれ。本巣市出身。男性2人組の音楽ユニット「MEGARYU」のボーカルで、2006年にオリコンチャート1位。14年にけいれん性発声障害を患い、活動休止した。プロデュースしたファッションショー「MAGICOREX2015」を21日、岐阜市日ノ出町のクラブGで開く。岐阜市在住。