法定得票数上回り安堵豊明市議選、異例の乱戦
2015年4月27日
法定得票数の三百六十二票を上回るか否か−。公選法の規定で欠員や再選挙の可能性もあった豊明市議選は、二十位以内の候補者全員の当選が決まったが、市選管職員や各陣営はやきもきしながら開票状況を見守った。
候補者たちは選挙期間中、「市民の代表に選ばれるのに、法定得票数にも満たないんじゃ恥ずかしい」と、票の掘り起こしに懸命になった。各陣営からは「(四人以上の欠員の場合に行われる)再選挙があるのかどうか、全く予想できない」といった声が聞かれていただけに、全員の当選が決まると、開票所では何ともいえない安堵(あんど)感に包まれた。
同市では、市政改革を掲げる現職市長と保守系の最大会派の対立で市政が混乱。さらに昨年九月には市民グループが議員定数削減の条例改正を求める直接請求をしたものの、議会が否決。この市民グループが市長選とのダブル選挙となった今回の市議選で積極的に候補者を擁立するなどした結果、定数二〇を三十五人で争う“乱戦”となった。
市選管の大矢克己委員長(69)は「再選挙の心配もあったが、無事に決まって、ほっとしている」と話した。