愛知

各陣営ラストスパート後半戦26日投開票

2015年4月25日

決起集会で「ガンバロー」と声を出し、支持を訴える候補者ら=瀬戸市内で

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 統一地方選の後半戦は二十六日、投開票を迎える。県内では、瀬戸、江南、豊明、田原の四市長選と美浜、東栄の二町長選、二十三市議選と十一町村議選の計四十の選挙が行われ、各陣営の有権者への訴えはラストスパートに入った。市町長選の最終盤の情勢を紹介する。

 =候補一覧は届け出順、敬称略

◆新人4人が舌戦熱く

 ■瀬戸市長選

須崎 徳之 33 無新

伊藤 保徳 68 無新

川本 雅之 49 無新

早川 幸介 60 無新

 いずれも無所属新人の四人が激しい戦いを繰り広げる。

 増岡錦也市長の後援会や業界団体が推す元市議の須崎は自転車で市内を走り、若さを前面に出す。「瀬戸に活力を」と訴える。

 伊藤は街頭演説に力を入れる。企業経営の経験を強調し、民間視点を取り入れた市政運営や女性幹部登用などの刷新路線を掲げる。

 川本はミニ集会や電話がけで、市議五期の実績を強調し、「即戦力」をアピール。ボトムアップの市政運営を呼び掛ける。

 元市議の早川は給食費無料化や人件費削減を訴え、選挙カーの街宣を中心に、独自の戦いを展開している。

◆現職「4選」か「阻止」か

 ■江南市長選

沢田 和延 60 無新

堀   元 69 無現<3>

 元市議の沢田と四選を目指す堀が、同日に投開票される市議選候補も巻き込んだ保守分裂の激戦を繰り広げている。

 沢田は同じ市議会保守系会派の市議候補たちの演説会を毎晩駆け回る。堀の多選を批判し、改革の必要性を強調。事業の見直しや市長退職金の大幅削減で財源を生み出し、福祉の充実や地域活性化を目指すとしている。

 堀は地元の自民党国会議員や県議の支援を受け、一部の保守系市議候補とも共闘。個人演説会では国や県とのパイプを強調し、「新ごみ処理場建設などの大型事業に取り組み、将来を見据えた町づくりをする」と訴える。

◆現職VS2新人し烈

 ■豊明市長選

石川 英明 61 無現<1>

伊藤  清 46 無新

小浮 正典 46 無新

 現職に新人二人が挑み、激しい戦いを展開する。

 市政改革を掲げて前回初当選した石川は、「改革は道半ば」と、継続の重要性を訴える。選挙カーでの遊説に加え、つじ立ちにも力を入れる。

 元市議の伊藤は、若者ら新たな支持層の掘り起こしを狙い、中盤で選挙ポスターを変更するなど工夫。「土地活用を進め、財政基盤を強化する」と訴える。

 保守系市議らの支援を受ける元副市長の小浮は、市政の混乱解消へ「あらゆる壁をなくす」と声をからす。自転車遊説で、知名度アップに懸命だ。

◆3人懸命に支持訴え

 ■田原市長選

岡本 重明 54 無新

山下 政良 66 無新

北野谷一樹 53 無新

 新人三人が激しく争う。

 岡本は、農村部の渥美地区が主戦場。農業経済特区の導入や規制緩和など農業施策に加え「この地区は子どもが育つ環境整備が不十分だ。現状を変えるチャンスは今しかない」と危機感をあおる。

 山下は田原地区の周辺部など郊外で攻勢を掛ける。おなじみのフレーズは「現在の田原市になって十年。何かよくなりましたか」。道路網や医療、福祉などの現状を説明し、課題解消を訴える。

 鈴木克幸市長から後継指名を受けた北野谷は、地盤の市中心部の票固めを急ぐ。毎夜三カ所で個人演説会をこなし、「市民と一緒に生活の課題を考え、政策に生かすのが私のスタイルだ」と強調する。

◆町長選二つは町二分の様相

 ■美浜町長選

神谷 信行 61 無新

山下 治夫 58 無現<2>

 ともに無所属の新人と現職が激しいつばぜり合い。互いに町議選の候補者を取り込むなど町を二分する様相となっている。

 新人で元町職員の神谷は、町西側が地盤の町議の支援を受ける。財政負担が増える公共下水道の整備計画反対を掲げ、「破綻への道をたどる。下水よりやるべき課題に取り組むべきだ」と訴える。

 町東側を固める現職の山下も町議の支援を受け、「今回の下水道整備は最後のチャンス。調査し意見を聞き、効果がなければやめればいい」と、住民の意向を尊重したまちづくりを呼び掛ける。

 ■東栄町長選

尾林 克時 65 無現<1>

村上 孝治 57 無新

 町を二分する戦い。十八票差で新人が現職を破った前回同様、大接戦が予想される。

 尾林は一期目の実績をアピールし、「町は元気になった。この勢いを持続させよう」と、県が計画している温泉利用の福祉タウン誘致などを訴える。

 村上は「無計画な箱もの行政で、財政は危機的状況」と、尾林町政を批判。財政の健全化や町民主体の町政の実現を掲げ、精力的に走り回る。

 【注】統一地方選では、投票日前に任期満了した首長は現職とします