愛知

定員割れ回避、無投票阻止…設楽町議選

2015年4月22日

 二十一日告示された設楽町議選(定数一二)は定数と同じ十二人しか届け出がなく、無投票となったが、水面下で現職と新人による思惑が微妙に交錯していた。

 二期目だった現職は「当初から二期で辞めるつもりだった」と公言し、三月下旬にあった立候補予定者説明会にも出席しなかった。

 ところが、説明会の出席者は十人にとどまり、このままでは定数割れという異例の事態に。各方面から出馬を促され、この現職は「選挙戦はもういやだが、無投票なら」と、いったんは出馬の意思を固めていた。

 一方、「無投票はよくない」と動いたのが、新人。地元の人たちに盛んに出馬を働き掛けたが、誰も応じない。ならばと「考えた末、二十日夜、自分で出ることにした」。

 二十一日朝、この新人を含む十二人の立候補を確認した現職は「私が出れば選挙戦になり、皆さんに迷惑を掛ける」と不出馬を決断。こうして、無投票当選が確定した。

 新人の狙いは、選挙戦に持ち込むこと。ポスターも選挙カーも準備しておらず、ましてや「当選なんて、全く念頭になかった」としながらも、表情を引き締めていた。

 (鈴木泰彦)