愛知

4市長選、23市議選告示 

2015年4月20日

 統一地方選の後半戦は十九日、県内では瀬戸、江南、豊明、田原の四市長選と二十三市議選が告示された。市長選には計十二人、市議選には計六百七十八人が立候補し、無投票はなく全て選挙戦に突入した。休日の市街地や農村部を名前や政策を訴える選挙カーが駆け巡った。二十一日告示の二町長選、十四町村議選とともに二十六日に投開票される。

◆瀬戸市選 現職引退で4新人火花

 四期務めた現職の引退を受け、いずれも無所属新人の元市議須崎徳之さん(33)、会社相談役伊藤保徳さん(68)、元市議長川本雅之さん(49)、元市議早川幸介さん(60)の四人が立候補し、激戦が予想される。

 自民推薦で現職の後援会が支援する須崎さんは、「魅力ある元気な街に」と訴え、徒歩で市内を練り歩いた。

 民主推薦の伊藤さんは、「市の問題を市民と検証したい」と強調。「せと陶祖まつり」会場で支持を訴えた。

 川本さんは「市議五期二十年の集大成。命の限り戦う」と、力を込め、地元の菱野団地などで演説した。

 早川さんは第一声で、「給食費を無料化する」などと公約を訴えながら、選挙カーで市内の基幹道路を回った。

◆江南市長選 保守分裂、一騎打ち

 江南市長選は元保守系市議で無所属新人の沢田和延さん(60)と、四選を目指す無所属現職の堀元さん(69)=自民推薦=が立候補。保守分裂の一騎打ちとなった。

 沢田さんは第一声で「議会与党会派として市長を支えてきたが、多選の弊害が出ている」と指摘し、構造改革推進や事業見直しの必要性を訴えた。同じ会派の市議選候補者たちも応援に駆けつけ「今こそ市長を変えないと」と力を込めた。

 堀さんは出陣式で、建設地選びが停滞している尾張北部二市二町の新ごみ処理施設について「一刻も早く造るべく一生懸命進めていく」と強調。地元選出の自民党衆院議員や県議、近隣市町の首長、市議選候補者らと気勢を上げた。

◆豊明市長選 2新人候補、現職に挑む

 市政改革推進を訴える現市政への評価が争点となる豊明市長選には、現職の石川英明さん(61)に対し、元市議伊藤清さん(46)、元副市長小浮正典さん(46)の二新人が届け出て、無所属の三人による選挙戦に。三人は出陣式や街頭活動で、それぞれの政策を訴えた。

 石川さんは四年間の実績を強調し「孤軍奮闘だったが、基礎は確実につくり上げてきた。新しい未来を必ず開く」と力を込めた。

 伊藤さんは「しっかりと政策を訴え、豊明を立て直していく」と訴え、選挙カーを先導してランニングしながらアピールした。

 小浮さんは「今のふるさとは豊明。皆さんと一丸となって再生、飛躍させる」と宣言。保守系市議の大半も応援に駆けつけた。

◆田原市長選挙 新人三つどもえ混戦

 田原市長選は、農業生産法人社長の岡本重明さん(54)、市教育部長などを歴任した山下政良さん(66)、前市副議長の飲食業北野谷一樹さん(53)が、いずれも無所属で立候補した。

 安倍政権の農協改革などに賛同する岡本さんは、農業分野の規制緩和を掲げ「農業経済特区」を主張した。バス路線網の再整備や医療充実化も訴えた。

 山下さんは、市内を縦断する幹線道路の整備に「政治生命を懸けたい」と意欲を示し、中小企業団地の造成や人口増加策にも力を入れると強調した。

 北野谷さんは、引退する鈴木克幸市長(70)から後継指名。田原青年会議所OBで、「産業振興」や「ひとづくり」に重点を置いた施策の重要性を語った。