愛知

<市政の課題 瀬戸市長選に向けて>(上)

2015年4月15日

 統一地方選の後半戦は19日に市長・市議選、21日に町村長・町村議選が告示され、いずれも26日に投開票される。尾張東部の5市1町で市長選が行われるのは瀬戸、豊明の2市で、いずれも選挙戦になる見込み。両市のさまざまな立場の市民各6人に市長に望むことを語ってもらうことで、市政の課題を探った。

◆市小中学校PTA連絡協副会長 加藤吉明さん(48)=東茨町

 市内の小中学校の児童・生徒数は、東部で減少する一方、西部では増加し、学校間の差が年々拡大している。新市長には、いち早く適正配置の課題に取り組んでもらいたい。

 瀬戸は複数の村が合併して誕生した経緯もあり、地区への帰属意識が強い人が多い。そういった方々に納得してもらうためにも、行政がトップダウンでやるのではなく、地域住民を交えた会議のようなものを開くべきだ。

 私自身も統廃合の対象となると思われる祖母懐小の出身。文化や歴史の継承は重要だが、子どもたちの適正な教育環境を一番に考えなくてはいけない。

◆銀座通り商店街振興組合理事長 河本篤さん(57)=新道町

 二〇〇五年の愛・地球博をピークに、商店街の各店舗の売り上げは落ち込む一方。かつて百店以上あった組合加盟店舗は、今では半分に減った。空き店舗の多さも目立つ。

 商店街を含む旧市街地の活性化に関し、まずは市に明確なビジョンを示してほしい。「何年後にこうする」という計画があれば、先行きが不安な経営者も希望を持てる。観光資源として売り出すのも一つの手だと思う。

 空き店舗対策として市は家賃補助をしているが、補助頼みの経営になってしまうケースがある。きちんと採算が取れる経営ができるよう支援するべきだ。

◆製陶所経営 塚田崇英さん(59)=品野町

 業務用食器を中心に作っていますが、市内の製陶業界は本当に厳しい状況。家業に入った三十五年前は一週間に三回は焼成していたが、今は一回のみ。従業員も当時は二十人を抱えていたが今は四人に減った。品野だけでも毎年、五社ぐらいずつ廃業している。

 新市長には、瀬戸焼ブランドのPRを効率的に進めてほしい。その際、外部のアドバイザーやデザイナーの意見も重要だが、地元の作り手の意見を一番に取り入れるべきだ。昨年末、東京・青山で開催した「瀬戸焼ブランド発表会」のような取り組みは全国各地で開催していいと思う。

 (統一地方選取材班)