愛知

強い自民、共産復活県議選

2015年4月14日

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 十二日に投開票された県議選(定数一〇二)は、減税が議席を失った一方、自民が前回選で届かなかった過半数を獲得し、共産が十二年ぶりに議席を得るなど県議会の構図に変化をもたらした。十三日に記者会見した大村秀章知事は「全ての会派としっかり意見交換し、議論していく」とこれまでの議会対応の継続を強調したが、強い自民と唯一の野党を自任する共産の復活で、微妙なかじ取りの変化を求められる場面もありそうだ。

 自民は二〇一一年四月の前回選(定数一〇三)で四十九議席にとどまったが、直後に無所属三人を加え過半数を実現。一二年十二月の衆院選に出馬する所属議員が辞職し、以来、過半数を割り込んでいた。

 今回、五十四議席を獲得して再び過半数となったことで、単独で議案を否決できるなど議会でより大きな影響力を持つことになった。自民は二月の知事選で大村知事を支援するなど四年前の対立関係から与党的立場へと変化したが、今後対立する政策が出てきた場合は強硬姿勢を取ることも予想される。

 同じく知事選で大村知事を支持した民主は九議席(前回選からは六議席)増の三十二議席。公明も手堅く現有六議席を維持した。一方、前回十三議席を獲得し、大村知事率いる日本一愛知の会の五議席と合わせて知事与党となった減税は議席ゼロとなった。

 大村知事は会見で「県政に大きな影響があるとは思っていない」と言い切ったが、既成政党に脅威を与えた減税勢力の退潮が県議会で明らかとなった。

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 一方、四年前になかった顔触れは、ともに二議席を獲得した共産と維新だ。

 とりわけ三期十二年ぶりに議席を奪還した共産は、これまでの大村県政を「大企業優先で県民の福祉や暮らしは後回し」などと一貫して批判。県議会各会派についてもオール与党体制と指弾してきただけに、今後の議会でも知事や各党との激しい対決姿勢が予想される。

 大村知事は共産について「名古屋市内の定数二(西区選挙区)で当選したのは正直、意外だった」と健闘を評価しつつ、「議会は最終的には数で決めていく。(共産の)意見が全て通るということではない」とけん制した。