愛知

性同一性障害の候補、涙飲む名古屋市議選

2015年4月13日

 名古屋市議選に性同一性障害の当事者として挑み、東海地方初の議員を目指した安間優希さん(45)。立候補した中区は三議席を九人が争う激戦区。性的マイノリティー(性的少数者)の声を行政に届けたいという声は、組織力に勝る政党同士のつばぜり合いにかき消された。

 安間さんは午後十一時前、性的少数者の象徴である虹色の旗が飾り付けられた事務所で敗戦の弁。「力不足で応援してくれた人に申し訳ない。たくさんの支援のおかげでベストは尽くせた」と涙をこらえ、声を絞り出した。

 戸籍は男性だが、市選管には女性として立候補の届け出を受理された。三十八歳の時に性同一性障害を告白し、性的少数者を支援するNPO法人や相談窓口を設け、街頭で存在をPRするパレードも企画。保守的とされる名古屋で理解を広げてきた活動からさらに踏み出そうと、政界入りを目指したが、及ばなかった。