愛知

自民4増、共産は過去最多名古屋市議選

2015年4月13日

 名古屋市議選(定数七五)は、前回選で二十八人が当選した減税日本の議席を、各党が奪い合う結果となった。ただ、当時の獲得議席から半減させた減税も改選前からは一つ増やし、河村たかし市長と、自民や民主との市政運営をめぐる主導権争いは激しさを増しそうだ。改選前から四議席増やした自民は、最大会派の座を確固たるものに。民主も前回の十一議席から五議席増で、復調の手応え。共産は自民、民主以外の受け皿を減税日本から奪い、中村、中区では初の当選者も。過去最多の十二議席を獲得し、公明、減税とともに第三会派を分け合うことになった。

 「思わぬ多くのご支援をいただいた。災害に強い、活力あるまちづくりを約束します」

 中区(定数三)で六選を決めた自民の中田千津子さん(62)は、九人が立候補した激戦も、地元に根づいた強みを生かし、危なげなく勝ちきった。

 テレビで当確の一報が入る前、開票状況から万歳三唱が始まった。孫二人から花束を受け取り、満面の笑みを見せた。

 自民は今回、定数五以上の選挙区で新たに公募した二十〜三十代の女性三人を擁立。女性登用を唱える党の姿勢を印象づけたが、いずれも落選した。市議会の自民議員で唯一の女性の中田さんは「後援会をしっかり組織し直し、再挑戦してほしい」と今後に期待を寄せた。

 一方で、四年前の市議会解散請求(リコール)成立に伴う出直し選で失った議席を奪還した選挙区も。熱田区(定数二)で服部慎之助さん(40)が初当選。減税躍進のあおりで、中村区(定数五)で落選した小出昭司さん(53)も返り咲いた。

 選挙中、県連幹部は「今回は明確な争点がなく、組織票固め」と強調。各候補は低投票率を見越し、従来の支持基盤の業界団体や地域を徹底して回り、戦いを有利に進めた。