<なごや市議選 終盤情勢>(上)
2015年4月10日
名古屋市議選は十二日の投開票日が迫り、各陣営とも終盤の追い込みに入った。七十五議席をめぐり百三十六人の候補者が争う大激戦。つばぜり合いが演じられている全十六選挙区の情勢を二回に分けて紹介する。
■千種区(定数五−11)
佐野洋一郎47維新
山田 昌弘44民元<1>
手塚 将之38減新
酒井健太朗29共新
伊神 邦彦68自現<6>
蔦 絵梨奈27自新
黒川 慶一61諸現<1>
玉置 真悟30無現<1>
斎藤 亮人55民現<5>
杉浦 聡41諸新
田辺 雄一45公現<2>
自民と民主の候補が二人ずつおり、票を奪い合う激戦区だ。前回トップ当選の田辺は二期の実績を強調。伊神は支持者を固め、蔦は若年層への浸透を狙う。酒井は党議席の復活を期す。斎藤は労組や福祉団体と連携。山田は古川元久衆院議員が全面支援。元厚生労働省職員の手塚は「高齢者福祉、社会保障のプロ」と行政手腕を訴える。元減税の玉置と黒川は再選に全力。佐野は「議員自ら身を切る改革を」と主張。杉浦は音楽も活用した運動で支持拡大を図る。
■東区(定数二−5)
近藤 徳久52諸現<1>
佐藤 夕子52減新
中川 貴元48自現<5>=公
村瀬 和弘44共新
谷 弘三38民新
減税日本率いる河村たかし市長のお膝元で注目が集まる。六選を目指す中川は堅調な戦いを進める。佐藤は、河村とともに牙城を守るのに懸命。党の議席奪回を目指す谷は住宅地を歩いて回り浸透を図る。元減税の近藤は新たな政治団体に所属し中小企業の支援などを訴える。村瀬は市民の暮らしや福祉を守ろうと呼び掛け、支持拡大を図る。
■北区(定数五−9)1減
長谷川由美子57公現<3>
田山 宏之56減現<1>
山本 靖也45自新
久間田 賢43維新
岡田 幸子50共現<1>
渡辺 義郎77自現<10>
服部 将也46民現<4>
荒深久明臣53無新
永墓 一光39無新
定数が一つ減ったが、自民が二人を公認。前回トップ当選の長谷川は四選へ着々。渡辺、岡田、服部は議席死守に全力を挙げる。党副幹事長の田山は市民税減税、議員報酬半減の継続を訴える。会社社長の山本は出馬表明が遅れたが、中小企業経営者らが支援。減税を離れた荒深は県議からくら替えした。久間田、永墓は初当選を目指す。
■西区(定数五−6)
鹿嶌 敏昭68減現<1>
小山 憲一54維新
青木 朋子44共新
浅野 有45自新
上園 晋介39民新
沢田 晃一44公現<1>
浅野は引退したベテラン議員の地盤を引き継いだ。沢田、青木は党の組織票からの上積みを目指し、街頭中心に活動。上園は前回涙をのんだ母の雪辱を期す。前回二議席を獲得した減税は、鹿嶌への一本化で議席死守に懸命。歯科医院を経営する小山は、昨年の衆院選で八千四百票近く集めた維新の比例票の呼び込みを図る。
■中村区(定数五−9)
佐野 勉61減新
冨田 英寿55無現<1>=民
山本コトミ60無新
小出 昭司53自元<1>
鵜飼 春美66民現<4>
中村 満57公現<3>
斎藤 高央47自現<1>
藤井 博樹37共新
梅岡 由佳32維新
自民は前回選挙で当落が分かれた斎藤と小出の二人を立て、「責任政党」を前面に議席増を狙う。民主は五選を目指す鵜飼を公認、元減税で無所属の冨田を推薦する。四期目を目指す中村は街頭で票の上積みを図る。藤井は安倍政権批判で同区初の党議席を狙う。前回二議席を獲得した減税は、新人の佐野に一本化。二年前に南区の補選に出た梅岡は出身地で再挑戦。河村市長の政治塾で政治家を志した山本が無所属で臨む。
■中区(定数三−9)1増
加藤 南69無新
榎沢 利彦53維新
中田千津子62自現<5>=公
安間 優希45諸新=社・生
西山あさみ25共新
済藤 実咲35無現<1>
則竹 勅仁49次元<3>
菱田聡一郎40民新
高橋 圭三50減新
競争率三倍の最激戦区。かねて投票率が低く、各陣営は票の掘り起こしに必死だ。中田は公明推薦で、支持層を固める。菱田は連合推薦を受け、党議席の奪還に全力。高橋は河村市長の地盤を生かし、県議選候補と共闘。西山は同区初の党議席獲得に向け、街宣を重ねる。元自民で県議長も務めた加藤は混戦に勝機を見いだす。則竹はかつて民主、減税に属したが、今回は次世代から出馬。性同一性障害の安間は社会の少数者の声を代弁。済藤は議席の維持に全力を挙げ、榎沢は既得権益の打破を訴える。
■昭和区(定数四−6)
真野 哲53維新
柴田 民雄50共新
西川 学47自現<2>=公
大村 光子53減現<1>
奥村 文洋63民現<7>
加藤 絢子30次新
八選を目指すベテラン奥村は、後援組織の引き締めに余念がない。西川は三選に向けて自転車などで選挙区内をくまなく回る。柴田は初当選に向け、街頭演説を数多くこなす。大村は河村市政の継続などを訴え、再選を期す。真野は犯罪被害者支援の充実などを訴え、支持拡大を図る。シングルマザーで看護師の加藤は、子育て支援の充実などを訴える。
■瑞穂区(定数三−8)1減
藤田 和秀51自現<4>=公
土居 芳太49民新
川崎 務59無新
加能 拓人25共新
前田 有一61無元<3>=次
塚本 剛志34維新
金城 裕55減現<1>
荒川 和夫68諸現<1>
定数一減で激戦。藤田は四期で培った強固な地盤と、政権与党の追い風を背景に安定した戦い。土居は四期務めた前職の後継で、中電労組の支援を受け組織票を固める。二十五歳の加能は、同区初の党議席獲得を狙う。前回、減税から出てトップ当選した荒川は党を離れ、金城は党に残り、それぞれ再選を目指す。塚本は地元衆院議員の地盤をフル活用し、こまめに地元を回る。自民を離れた前田は次世代の推薦を受け、保守層の掘り起こしに努める。前回みんなの党から出馬した川崎が無所属で再挑戦。
(候補一覧は届け出順、敬称略)