愛知

県選管、低投票率を懸念期日前投票、前回並み止まり

2015年4月9日

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 十二日投開票される統一地方選前半戦の県議選で、期日前投票の投票率は投票日五日前の七日終了時点で2・76%だった。県選管が八日に発表した。二〇一一年の前回同時期を0・34ポイント上回っただけで、期日前投票制度が浸透しつつある状況を考慮すれば、最終投票率は過去最低だった前回を下回る懸念もある。県選管事務局の担当者は「厳しい状況だ」と危機感を募らせている。

 県議選の最終投票率は、一九四七(昭和二十二)年の第一回で記録した84・31%から減少傾向が続き、二〇〇七年の前々回は43・10%、一一年の前回は42・01%と二回連続で過去最低を更新した。

 一方、〇三年の公選法改正で始まった期日前投票制度は、県議選では前々回から適用された。制度の浸透とともに各選挙で投票総数に占める期日前投票の割合は高まる傾向で、県議選でも前々回の10・42%から前回は17・65%と一気に伸びた。

 このため、今回も期日前投票の割合が高まると想定すれば、投票日五日前時点の投票率がほぼ前回並みにとどまったことは、最終投票率のさらなる低下を予想させる結果ともいえる。

 投開票日まで残り三日。今回は、前回統一地方選に先立って行われた名古屋市議選が再び同じ日程になるなど、県議選の投票率を押し上げる要因もあるだけに、県選管事務局の担当者は「県議選だけでなく統一選全体で盛り上げたい」と盛り返しを期すのだが…。

 (赤川肇)

◆広報車で投票呼び掛け

県議選の日程を知らせるため県内各地へ向かった広報車=県庁で

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 県議選投票日の十二日が近づき、県選管は八日、広報車で投票の呼び掛けを始めた。

 広報車は全五十五選挙区のうち選挙戦になった三十五選挙区を十二日まで毎日巡回。選挙啓発イメージソングを流しながら「十二日は県議選の投票日です。忘れずに投票に出掛けましょう」とアナウンスする。

 県庁であった出発式では、矢野浩二選管事務局長が「一人でも多くの有権者に投票日を伝えていただきたい」とあいさつ。和太鼓の勇壮な演奏の中、五台のワゴン車が県内各地へ向かった。