愛知

減税の城、守り一丸名古屋市議選、東区選挙区

2015年4月3日

 「男性の数だけ女性がいる。介護や福祉、子育てを、女性抜きで会議してもらっては困る」

 五人が立候補した名古屋市議選の東区選挙区(定数二)。唯一の女性で、減税新人の佐藤夕子さん(52)が、東区の事務所前で声を張り上げた。

 四年前、河村たかし市長が主導した市議会解散請求(リコール)の成立による出直し選で、減税は大躍進。だが、議員の不祥事が相次ぎ、既成政党批判の熱も冷め、ムードは一変した。守勢に回る今回、河村市長のお膝元、東区選挙区の勝敗が、今後の市政運営も左右することになる。

 河村市長を師と仰ぎ、政治家を志した佐藤さん。県議、衆院議員を務めたが、議会側に押し込まれ気味の市長を支えようと、今回、市議選への立候補を決意。出発式には市長も駆け付け、マイクを握った。

 その減税から前回初当選した近藤徳久さん(52)だが、公認問題のこじれから離党し、諸派で再選を目指す。かつての仲間に弓を引く形だが「市長のためでなく、市民のために働くのが議員だ」と対決姿勢をあらわに。

 前回、減税に明け渡した議席の奪還を狙う民主は、元衆院議員秘書で新人の谷弘三さん(38)を擁立。「減税が第一会派となって市議会は後退した。未来志向の名古屋市、市議会を取り戻す」と訴えた。

 六選を目指す自民現職の中川貴元さん(48)は「争点は、四年前の熱狂からの脱却。堅実で質の高い市政、議会を」と強調。共産からも、前回に続き村瀬和弘さん(44)が立候補している。