愛知

6割「報酬800万円再考を」名古屋市議選、出馬予定者アンケート

2015年4月2日

 三日告示の名古屋市議選(定数七五)で、全国の政令市で現在最も低い年八百万円の議員報酬について、中日新聞社が立候補予定者に行ったアンケートで適正額を尋ねたところ、「第三者機関に検討を委ねる」「上げるべきだ」などと再考を求める意見が六割近くに上った。報酬八百万円は「議員の庶民並み給与」を唱える河村たかし市長の肝いりで続いているが、選挙結果次第で報酬をめぐる議論が再燃しそうだ。

 対象は、一日時点で立候補を予定する百三十六人。自民、民主の全四十五人が「報酬等審議会や第三者機関に検討を委ねる」と足並みをそろえ、公明の全十二人が「一定期間内にさまざまな方途での検討が望ましい」と答えた。

 維新は統一地方選公約で「報酬三割カット」を掲げるが、八百万円は条例の規定額を暫定的に半減しているため、十五人全員が増額を求める形となった。

 一方、現状維持派は計五十二人。共産と河村市長率いる減税日本の全三十五人をはじめ、次世代や諸派、無所属で、全体の四割に満たない。

 名古屋市議選は前回、河村市長が主導した市議会解散請求(リコール)の成立による出直し選となり、減税日本が第一党に。当時の本紙アンケートでは自民、民主を含む七割超の候補者が「報酬半減に賛成」と回答し、直後の定例会で「民意を得るまで当分の間」と条件付きで報酬を半減する暫定条例が可決された経緯がある。

 その後、議会内に「八百万円の根拠が不明」「政治活動への持ち出しも多く、八百万円を生活費に充てられるわけではない」などの声がくすぶり、今回の選挙後に火が付く可能性がある。

 一方、河村市長は八百万円の恒久化を求めているが、条例改正案は二〇一三年に市議会で否決された。市長は今回の市議選の減税日本の公約でも「八百万円制度化」を掲げている。