県議選展望(1)名古屋
2015年3月28日
統一地方選前半戦の県議選(55選挙区、定数102)は3日告示、12日に投開票される。民主、自民、公明の既成勢力と、12年ぶりの議席奪還を期す共産や、選挙戦での初議席獲得を狙う維新、生活、減税といった第三極勢力が争う。立候補予定者は155人前後となる見通し。前回7選挙区だった無投票区はほぼ3倍に増えそうだ。現段階での顔触れや情勢を紹介する。
■千種区(定数2)
東裕子 51 (元)車輸出業 次現<1>
辻秀樹 39 (元)議員秘書 自新
黒田太郎 48 (元)議員秘書 民新
東は4年前の前回、減税でトップ当選したが、今回は次世代から出馬する。自民は政務調査費の不正受給で県議が辞職し、元参院議員秘書の若い辻を立てた。黒田は国会議員秘書や日本銀行勤務の経験を生かして戦う。
■東区(定数1)
安藤雅彦 47 電気工事業 減現<2>
政木理香 52 (元)議員秘書 自新
国政直記 25 学習塾経営 民新
3期目を狙う安藤と再挑戦の政木という前回同様の顔触れに、平成生まれの国政が加わる。3人以上が立候補すれば6人で争った1983(昭和58)年以来32年ぶりとなる。
■北区(定数2)1減
塚本久 67 党県顧問 民現<9>
松川浩明 51 商店街役員 自元<4>
須山初美 36 党職員 共新
今回から定数1減。現職2人の選挙区替えなどにより、3人の争いとなりそう。前回次点の松川は雪辱に挑む。塚本は激戦の前回を踏まえ、地元回りに余念がない。須山は安倍政権批判票の取り込みを狙う。
■西区(定数2)
田中泰彦 34 (元)議員秘書 自新
中堀隆一 42 党区部長 民新
石神勝博 44 NPO理事 維新
鷲野恵子 67 (元)市議 共新
現職の国政転出や引退などで、新人4人の争いになる見通し。石神は第三極支持の受け皿を目指す。中堀と田中はともに衆院議員秘書の経歴を持ち、地元を細かに回る。鷲野は名古屋市議6期の実績をアピールする。
■中村区(定数2)
寺西睦 50 (元)電通部長 自現<1>
鳴海康裕 39 党支部役員 民新
松山剛士 29 (元)県議秘書 維新
前回の無投票から、3人で2議席を争う見込み。寺西は現職の実績をアピールし2選に挑む。父の地盤を継ぐ松山は第三極支持票の取り込みもカギ。鳴海は地元の衆院議員秘書の経験を生かし、地域を小まめに回る。
■中区(定数1)
佐藤敦 42 広告会社長 減現<1>
増田裕二 40 会社社長 自新
中原航 25 党区部長 民新
今枝潔美 57 (元)病院職員 無新
前回自民現職を破った佐藤は4年間の実績をアピール。増田は市議との連携で浸透を図る。中原は中区では民主初の公認候補。今枝は衆院議員だった父の遺志を前面に出す。
■昭和区(定数2)
谷口知美 52 (元)中学教諭 民現<2>
加藤喜久江 58 珠算塾経営 減現<1>
成田修 53 (元)会社員 自新
尾関雅美 65 党地区委員 共新
中村孝太郎 69 (元)市議 次新
女性現職2人と男性新人3人による激戦。加藤は1期目の実績を訴えたい。教員組合出身の谷口は組織戦を展開。成田は自民の議席復活を狙う。減税から市議に当選し、任期途中で結い(現維新)に移った中村は次世代へ。尾関はオール与党県政の打破を訴える。
■瑞穂区(定数2)
川嶋太郎 39 (元)議員秘書 自現<2>
高木浩司 61 NPO理事 民元<3>
山田勉 40 議員秘書 維新
定数2に対して自民、民主、維新の公認3候補が争う。地元出身の川嶋は連続3選を狙う。高木は過去3期の実績と政策通をアピールする。山田は昨年の衆院選で当選した牧義夫氏の秘書として連携した戦いに臨む。
■熱田区(定数1)
華地山義章 46 党支部代表 民現<3>
吉岡寿樹 47 建築士 自新
民主と自民の一騎打ちの見通し。華地山は3期12年の実績を前面に、支持団体の引き締めなどを図る。吉岡は政権与党の強みを訴え、保守票を固めたい。
■中川区(定数3)
西川厚志 45 党支部役員 民現<3>
犬飼明佳 42 党県役員 公現<1>
稲本和仁 56 薬剤師 無現<1>
月東義博 57 党地区委長 共新
前回の無投票から一転、選挙戦の見通し。4期目を目指す西川は実績を強調。犬飼は引退する公明現職の後継として北区からくら替えした。知事率いる地域政党から初当選した稲本は無所属で出馬。月東は政権や現県政への批判票を取り込みたい。
■港区(定数2)
直江弘文 66 (元)議員秘書 自現<8>
平岩登 41 (元)議員秘書 無現<1>
安井伸治 50 会社社長 民新
亀田成子 66 党地区委員 共新
現職2人と新人2人の争いになる見通し。直江は8期の実績を訴える。元減税の平岩は無所属での戦い。安井は名古屋市議時代の支持層を生かす。亀田は安倍政権への批判票を取り込みたい。
■南区(定数2)
伊藤辰夫 49 (元)縫製業 自現<2>
岡江智子 63 茶道教授 無現<1>
久野哲生 50 会社顧問 民元<2>
山本洋一 36 会社役員 維新
現職の2人に元職と新人が挑む。前回減税でトップ当選した岡江は無所属で戦う。3期目を目指す伊藤は地域再生を訴える。久野は前回敗れた悔しさを糧に支援者を回る。元新聞記者の山本は衆院議員秘書を経て満を持す。
■守山区(定数2)
森井元志 51 会社顧問 民元<2>
南部文宏 55 会社社長 自新
長畑千代子 64 生協理事 共新
現職の2人がともに引退し、元職と新人が争う。森井は2期務めた実績を掲げ、支援者を掘り起こす。南部は引退する田辺克宏氏から後継指名を受けた。長畑は民生委員や生協職員の経験を生かし、福祉の充実を訴える。
■緑区(定数3)
渡辺昇 46 会社社長 自現<2>
中村友美 55 党県役員 民現<7>
岡明彦 52 党職員 公新
満仲美由紀 49 党職員 共新
8期目を目指す中村は地元回りに余念がない。3期目を狙う渡辺も組織固めを進める。公明は定数が減った北区で擁立を見送り、新たに緑区で党職員の岡を擁立。満仲はひとり親の経験から県政の改善を訴える。
■名東区(定数2)
筒井隆彌 69 団体役員 自現<10>
三宅功 60 会社社長 無現<1>
富田昭雄 56 法人理事 民元<3>
河村市長を支持する立場で前回減税でトップ当選した三宅は今回、無所属での戦い。筒井は大村知事に対して是々非々の姿勢で県内最多の11選を目指す。富田は過去3期務めた実績をアピールして議席の奪還を期す。
■天白区(定数2)
須崎幹 48 党県委員長 自現<2>
水谷満信 50 飲食店経営 民元<2>
三輪泰士 46 会社役員 維新
高橋真生子 40 党職員 共新
定数2を各党公認の4人が争う。須崎は唯一の現職として実績をアピールする。前回敗れた水谷は議席奪還を目指す。三輪は衆院選で県内の議席を獲得した党の勢いを生かす。高橋は現県政への批判票を取り込む。
【注】立候補予定者の並びは、現職、元職、新人の順。同じ場合は(1)公認政党の衆院勢力(2)当選回数(3)五十音−の順。政党などの表記は、自「自民」、民「民主」、維「維新」、公「公明」、共「共産」、次「次世代」、生「生活」、減「減税日本」、無「無所属」。丸数字は当選回数。敬称略。肩書、年齢は投開票日の4月12日現在。