愛知

性同一性障害男性が名古屋市議選へ選管「女性」で受理決める

2015年3月21日

 四月の名古屋市議選に、男性として生まれながら、性同一性障害で、女性で生活するNPO法人代表理事(45)が出馬する。市選管は二十日にあった立候補届け出書類の事前審査で、届け出を戸籍上の男性ではなく、女性で受理すると決めた。

 代表理事は、性同一性障害などの悩みを抱える人たちの支援活動に取り組んでいる。「社会の少数者の声を集め、伝えたい。私が立候補することで問題を提起できるなら、意味がある」と話した。

 立候補届け出書類には性別を記載する欄があり、原則は戸籍通りに男か女かを記す。市選管は、代表理事から女性として届け出るとの連絡を受け、対応を検討していたが「性別が戸籍と違っても、不受理の理由にはならない。本人の意向を尊重する」と判断した。

 性同一性障害をカミングアウトして活動する議員としては、二〇〇三年に戸籍上の男性ではなく、女性で立候補した東京都世田谷区議の上川あやさん(47)が知られている。三期連続当選している上川さんは「選挙で社会の多様性に光がきちんと当たることは、地域社会にとっても好ましいこと」と指摘した。

 名古屋市選管は、全国の立候補者数をまとめる総務省には戸籍に従い男性で報告する方針で、男女別の統計の数字が食い違う可能性がある。