福井

迫る審判の時知事選&県議選あす投開票

2015年4月11日

 統一選の前半戦となる知事選と県議選は十二日、投開票される。知事選は共産新人の金元幸枝氏(57)と、四選を狙う無所属現職の西川一誠氏(70)が舌戦を展開。県議選は告示日に現職計十一人の無投票当選が五選挙区で決定し、七選挙区で計三十四人が合わせて二十六議席を巡って争っている。

 前回と同じく共産新人と現職との一騎打ちになった知事選は、原発の再稼働や廃炉、北陸新幹線の整備、人口減少対策を争点に舌戦を繰り広げている。

 県議選では、福井市(定数一二)に十三人が立候補。当落ラインでは混戦が予想される少数激戦となっている。越前市今立郡南条郡(同五)は唯一、二人が涙をのむ混戦。

 あわら市と吉田郡は、ともに現職と新人の一騎打ち。丹生郡は元職が返り咲きを狙って現職と激しい攻防を展開している。

 敦賀市(同三)と小浜市三方郡三方上中郡(同三)はともに現職二人に新人二人が割って入る構図となっている。

 各候補者は十一日、さらなる支持拡大を目指し、街頭や集会で最後の訴えに臨む。

 (統一地方選取材班)

◆県政転換、何としても 金元さん

 金元さんは午前中に大票田の福井市、午後からは地元の永平寺町を中心に遊説した。住宅地や量販店周辺などをきめ細かく回り、精力的に街頭演説に立った。「原発ゼロの願いをぜひ、私にお寄せください」。自らマイクを握って選挙カーの中からも熱い思いを街中に響かせた。

 「現職は福井は『幸福度日本一』『子どもの幸せ日本一』と言うけれど、皆さんにそんな実感がありますか」。そうした問い掛けから街頭演説を始め、自身が耳にするのは「年金を削られ、消費税も上がって年寄りに死ねと言うんか」など“悲鳴”ばかりと強調。「皆さんの暮らしや命を大切にする県政へ、今こそ転換します」。一貫して主張してきた言葉に強い決意をにじませた。

 原発の再稼働反対と国への廃炉要求、北陸新幹線など大型公共事業の見直し、消費税増税の中止などにも言及。沿道の聴衆に駆け寄って握手を求めると「頼むざ」と力強く握り返される場面も。「何としてでも勝ちたい」と笑顔で手を振って選挙カーに乗り、次の遊説先に向かった。

 十一日は、福井市の大型量販店や商店街などで訴えを響かせる。

 (北原愛)

◆人口減対策、必ず守る 西川さん

 西川さんは、この日の遊説を鯖江市からスタートさせた。午前中は市内の北東部をくまなく巡回。地区後援会や支援企業・団体の呼び掛けで人が集まったところに立ち寄り「皆さんの力をいただき、地方をもっと盛り上げていきたい」などと支持を訴えた。

 人口減少対策を前面に打ち出したマニフェスト(政策公約)「福井ふるさと元気宣言」の浸透が最重要課題。この日も要約版を配りながら「約束したことは必ず守る」「皆さんの意見を聞き、全力で取り組む」などと言葉に力を込めた。

 普段、要約版を配るのは運動員らに任せているが、自らの手で配って「お孫さんは大きくなったの?」などと話し掛ける場面も。支援者の音頭で「ガンバロー」を三唱した後、マイクを手に取って、両手でガッツポーズするような格好で再度「ガンバロー」をするパフォーマンスも繰り広げた。

 鯖江市は県議選が無投票となっただけに「期日前投票を」と積極的に呼び掛け、投票率アップにも余念がなかった。

 午後からは福井市の東部や南部を遊説。選挙運動最終日の十一日も、大票田の同市内の中心部と南部を駆け回る。

 (桂知之)