福井

<敦賀で知事選演説会>(上)金元幸枝さん(57)共新

2015年4月9日

「敦賀、福井県から原発ゼロの声を」と訴える金元幸枝さん=敦賀市で

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 知事選に立候補している共産新人の金元幸枝さん(57)と四選を狙う無所属現職の西川一誠さん(70)は六日夜、くしくも同じ敦賀市で個人演説会に臨んだ。大きな争点の一つとなっている原子力政策。立地地域で二人は原発の再稼働や廃炉などの課題にどう向き合うのかを有権者に語った。その様子を二回にわたって紹介する。

 「県民の皆さんの気持ちを受け止めて暮らしや福祉、命を大切にする県政をつくります」。敦賀市公文名の公文名集落センターで開いた個人演説会。畳に膝をつき、有権者と同じ目線で覚悟を語った。とりわけ力を込めたのが、原発の再稼働反対や廃炉要求の訴え。運用開始から四十年以上経過し、電力会社が廃炉を決めた県内原発三基だけでなく「(日本の原発は)全部止めます」。

 嶺南地域の経済への影響を意識し、世界の廃炉状況や主要エネルギー源が石炭から石油へ移行した時期に、国が石炭産地に実施した支援施策などを数字も交えて説明。「廃炉の決断で雇用が生まれ、国には今の交付金に代わる支援を求めていく」と強調した。

 その上で「福井を再生可能エネルギー産業の先進地に」との青写真を示し、ドイツではそうした産業に四十万人近くが携わっているとの事例も紹介して実現可能であることをアピール。「世界一原発が集中立地する福井。敦賀から、福井県から上がった『原発ゼロ』の声は日本のエネルギー政策を変えます」。一貫して訴え続けている主張を、マイクなしで会場に響かせた。

 (北原愛)