福井

ランチ拝見知事選両陣営

2015年4月7日

 知事選は17日間の長丁場で、まさに体力勝負だ。桜も一気にほころびる陽気と思いきや花冷えの日もある不安定な気候の中、体調管理はおろそかにできない。共産新人の金元幸枝さん(57)と、4選を目指す現職で無所属の西川一誠さん(70)の活力源は−。ランチタイムにお邪魔した。

◆支援者手製、フル充電 金元さん

野菜中心のメニューに顔をほころばせる金元幸枝さん=福井市の共産党県委員会事務所で

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 午前中の街頭演説から福井市二の宮五の共産党県委員会事務所へ戻ると、食堂代わりの小会議室に大皿料理がずらり。支援者の調理師らのお手製だ。「この山盛りご飯は誰の?」「冷蔵庫にアワビの刺し身?うそばっかり」。スタッフとの冗談交じりの会話を“前菜”に、手際良く自分の皿に取っていく。

 菜の花のおひたしにホウレンソウのゴマあえ、水菜とカニかまぼこのマリネ風サラダなど野菜中心。肉の空揚げは二個。みそ汁をすすってホッと一息つき、大好きなちらしずしを頬張る。「好物をあうんの呼吸で出してくれる」。過去九回の衆院選も心尽くしの炊き出しに支えられた。

 「いつも野菜を上手に調理してくださるの。毎日ハードだけどおかげさまで体の調子はいい」と箸も進む。待ち構えるテレビのインタビューを気にして、二十分程度で食事を切り上げた。

 「お店の定食もおいしいけれど久しぶりの“おうちご飯”はいいね」。嶺南や奥越での遊説が前日まで続き、四日ぶりの炊き出し。心身ともにフル充電して、選挙カーに乗り込む。 (北原愛)

◆地元の味、全身に活力 西川さん

つかの間の休憩時に昼食をとる西川一誠さん=福井市の「ごっつおさん亭」で

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 「いただきます」。福井市内を遊説中のお昼に立ち寄ったのは県産そば粉を使った手打ちそばで知られる「ごっつおさん亭」(獺ケ口町)。エビや野菜の天ぷらの盛り合わせとセットになった「天ざるそば」を勢いよくかきこんでいった。

 選挙期間中は時間を惜しんで県内一円を駆け回っているため、ほとんどの昼食は「幕の内弁当のようなもの」で済ましている。「外食の時は健康的(な食事)かどうかはあまり気にしてはいない」。それでも連日続く弁当には「フライとかも、冷たくなってしまっていて…。なるべく一緒に温かいみそ汁などを飲むようにしている」と少し寂しそうだ。

 それだけに、この日のランチの味は格別だった様子。二十分程度でペロリとたいらげた。「うまかった」と声を弾ませ、ふるさと福井の味で全身に活力をみなぎらせる。

 一日の休憩時間は、ごくわずかしかない。食後に「選挙中に飲んでいるんだ」という液状の栄養剤をゴクリ。すぐさま、たすきを身に着けて戦闘態勢を整えると、午後の遊説に元気いっぱいで出発した。

(桂知之)