福井

知事選、終盤戦へ

2015年4月7日

 知事選は十二日の投開票に向け、いよいよ終盤戦に入る。立候補している共産新人の金元幸枝さん(57)と四選を目指す無所属現職の西川一誠さん(70)は六日、それぞれ原発が集中立地する嶺南地方を中心に活動。原子力政策などを争点とした舌戦は一層激しさを増している。

 金元さんは一日二十カ所ほどのペースで街頭に立ち「県民の命と暮らしを守る県政への転換」を主張。県内遊説も二巡目に入り「原発ゼロ、再稼働反対」を中心に訴えを強めている。

 陣営幹部は「福島原発事故以降、県内外の団体と協力し反原発を訴えてきた。その流れを受け支持は着実に広がっている」と手応えを口にする。街頭宣伝と並び、個人演説会も重視。四月はほぼ連日開催しており高齢者が足を運びやすいように日中も開いている。

 子育て支援の拡充や憲法九条の改正阻止といった訴えに対する有権者の反応も上々という。一九八三(昭和五十八)年に記録した共産候補の過去最高得票数(九万四千七百二十九票)を大きく上回るのが目標だ。

 西川氏も既に県内二順目の遊説に突入。ほぼ連日個人演説会をこなし、過去三回の選挙と同様「マニフェスト(政策公約)の浸透」(陣営幹部)を重要視した選挙戦を貫いている。

 今回のマニフェストには人口減少対策のほか、原発再稼働への安全性第一の対応、北陸新幹線の整備促進など各課題に対する施策を網羅した。出会った有権者には確実に要約版を配って内容を語り掛け、政策への支持を求めている。

 政党の県内組織や各種団体からは六百を超える推薦も受け、狙うは「前回以上の得票率」(陣営)。同時開票の県議選無投票選挙区で投票率低下が懸念される中、期日前投票の活用もさまざまな場面で強調し、票の上積みに余念がない。

(北原愛、桂知之)