福井

知事選の投票率、過去最低の恐れ

2015年4月4日

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 三日に告示された県議選で十二選挙区のうち五選挙区(大野市、勝山市、鯖江市、坂井市、大飯郡)が無投票になったことを受け、知事選の低投票率が懸念される。無所属現職と共産新人の一騎打ちという構図は三回連続で、新鮮味がない点も関心の低下に拍車を掛ける。過去最低を記録する恐れも出てきた。

 「県議選無投票に加え、知事選は新鮮味のない組み合わせ。投票日の天気次第で過去最低になるかも」。知事選候補者の陣営スタッフが漏らす。「雨が降れば投票所に足が遠のく。快晴なら花見。曇りがいい」

 前回知事選の投票率は58・05%と過去二番目の低さ。県議選の無投票は三選挙区あり、大野市は33・30%、あわら市は42・12%、永平寺町は43・82%と、軒並み県平均を大きく下回った。三選挙区の有権者は約七万人で全体の一割だった。

 今回は無投票が五選挙区に増えただけではなく、坂井市や鯖江市という大票田が加わった。五選挙区の有権者は約十九万四千人と前回の三倍近くに増え、全体の三割を占める。

 51・77%と過去最低の投票率を記録したのは一九九一年、無所属現職の栗田幸雄さんと共産新人の上野寿雄さんが争った知事選。県議選は八選挙区が無投票でうち大票田の福井市は28・87%と異常な低さだった。

 無所属現職の西川一誠さん(70)の後援会連合会の松村重信事務局長は推薦を受けた六百団体・企業に期日前投票を依頼するなど「対策は打っている」と話す。県議選の期日前投票が始まる四日以降の投票数を注視する。

 一方、共産新人の金元幸枝さん(57)陣営。南秀一党県委員長は争点の原発や北陸新幹線を挙げて「今回の知事選がいかに大事か有権者に分かってもらうことが必要。あと一週間、関心を高めたい」と意気込む。

 県選管は戦後最低だった昨年の衆院選県内小選挙区の投票率(50・00%)に続く過去最低を心配しつつ「少しでも投票率が上がるよう啓発するしかない」と気を引き締める。

 (西尾述志)