福井

4選目指す現職に共産挑む知事選告示

2015年3月26日

 福井県知事選は、共産新人で党県書記長の金元幸枝氏(57)と、4選を狙う無所属現職の西川一誠氏(70)の2人が立候補を届け出た。このまま共産新人と現職の一騎打ちとなれば、3回連続。原発と北陸新幹線が争点となる。

 金元氏は福井県知事選では初の女性候補。衆院選に過去9回連続で出馬した経験を持つ。県労連や県民医連などでつくる市民団体の推薦を受ける。3期12年の実績を強調する西川氏は自民、公明、民主の県組織をはじめ、県経団連、連合福井など約600の団体と企業から推薦を受けた。

 関西電力高浜原発3、4号機(同県高浜町)の再稼働に向けた知事同意をめぐり、金元氏が反対姿勢を明確にする一方、西川氏は政府に5つの条件を提示する。北陸新幹線整備で、金元氏は計画の見直しを求めているが、西川氏は県内への早期延伸を目指している。

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 共産新人の金元幸枝さん(57)と無所属現職の西川一誠さん(70)は、それぞれ福井市内の事務所前で第一声を上げた。

 金元さんは「福島第1原発事故以降、多くの県民から原発は怖い、やめてほしいとの声を聞く」と原発再稼働反対と原発に頼らない県政への転換を訴えた。

 「(安倍政権に)原発ゼロの政治決断を促し、福井を再生可能エネルギーの先進地にすることで地域経済を活性化する」と主張。「皆さんの1票が日本のエネルギー政策を変える」と支持を求めた。県民の命と暮らしを優先して北陸新幹線など公共工事の見直し、福祉の充実なども公約に掲げた。

 西川さんは北陸新幹線金沢−敦賀間の工期短縮実現などの実績を訴え、金沢−福井間のさらなる先行開業に向け「皆さんの期待に応えたい」と強調した。マニフェスト(政策公約)の概要も紹介。人口の東京一極集中是正などに取り組む姿勢を示し「福井が全国のモデルとなる地域として発展するよう全力で取り組む」と決意を述べた。原発については、マニフェストに「安全最優先の原子力行政」を掲げているが、第一声では直接言及しなかった。