福井

<知事選100人アンケート>Q1.理想の知事像に近いのは?

2015年3月23日

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 二十六日告示、四月十二日投開票の知事選を前に、中日新聞社と日刊県民福井は県内の有権者百人を対象にアンケートを実施した。「理想の知事像」「北陸新幹線」「住み続けたい都道府県」のテーマごとに三回に分け、その結果を紹介する。 

 県内の有権者百人アンケートで福井県以外の都道府県知事(元職も含む)から「理想の知事像に近い人」を選ぶ項目では、元宮崎県知事の東国原英夫氏、元東京都知事の石原慎太郎氏、元大阪府知事の橋下徹氏(現大阪市長)という知名度の高い三人が上位を占めた。選んだ理由から浮かび上がるキーワードは「発信力」「強力なリーダーシップ」「明確な主張」だ。

 東国原氏が二十二人、石原氏が十六人、橋下氏が十五人と三氏で過半数を占めた。三氏とも男女比はほぼ半々。幅広い年代層が支持したが、東国原氏の場合は二十〜三十代が六割に上った。

 東国原氏を選んだ理由では「発信力」が目立つ。福井市の会社員男性(35)は「地味な宮崎を全国に発信し、観光客を呼び込んだ」、坂井市の無職女性(66)も「歩く広告塔として宮崎の名前を全国に発信した」と評価する。

 東国原氏はお笑い芸人出身の強みを生かして積極的にテレビ出演。鳥インフルエンザの逆境に負けず、宮崎地鶏をPRした。素晴らしい素材を持ちながら、PR不足が指摘される福井県。今月十四日の北陸新幹線金沢開業で、石川、富山両県に観光や産業面で後れを取る懸念もあるだけに、発信力は新しい知事に欠かせない要素と言えそうだ。

 一時は政党の共同代表として盟友関係にあった石原氏と橋下氏。二人が支持された理由は似ている。

 まず石原氏。福井市の自営業男性(73)は「五輪誘致や東京マラソンを強いリーダーシップで推進した」と実績を示してたたえ、勝山市の会社員男性(51)は「歯に衣(きぬ)着せぬ物言い」と特徴を説明する。

 片や橋下氏。敦賀市の会社員男性(26)は「大阪都構想など反対があっても政策を貫く姿勢が好き」と惚れ込み、坂井市の男子大学生(22)は「恐れずに自分の考えをストレートに主張する」と頼もしさを理由に掲げた。

 福井では東京電力福島第一原発事故後、原発政策で難しいかじ取りが続く。三年後には福井国体が迫っている。新知事は強いリーダーシップと明確な主張で難局を乗り切り、一大行事を成功に導けるか。

 一方、「いない」と答えた人は九人に上った。高浜町の旅館経営の女性(66)は「誰がなっても一緒」と、政治へのあきらめとも取れる回答を寄せた。

 <アンケートの実施概要> 3月中旬から下旬にかけて記者20人が面談や電話で行った。対象は男女別で各50人。年代別では20代、30代、40代、50代、60代以上で各20人。地区別では▽福井37▽坂井15▽奥越13▽丹南14▽嶺南21。

 (知事選取材班)