福井

<政党県代表に聞く>(5)南秀一・共産県委員長

2015年3月11日

「暮らしや平和を守る重要な選挙」と南秀一委員長=福井市二の宮5の共産党県委員会事務所で

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 −統一選の位置付けを。

 「昨年の総選挙を機に急速に戦争する国造り、労働規制緩和や社会保障サービスの縮小などへ向かう安倍政治に対し『国民の声を無視するな』との審判を下す絶好の機会だ。対決すべきところは対決し、県民の暮らしと平和を守る県政を実現する選挙でもある」

 −そのための戦略は。

 「福島原発事故をきっかけに政党や思想を超えて『原発ゼロ、再稼働を許すな』の一点共闘を県内でも着実に広げてきた。今回の選挙はその延長線上だ。培ってきた信頼関係を基盤に知事選に挑み、市町議選では現有議席の維持を目指す。県議選では十二年ぶりの県議二人体制の実現に向け、敦賀市で候補者を立てることを検討中だ」

 −県の原発施策をどう思うか。

 「稼働停止などによる嶺南の景気低迷、廃炉による交付金減の問題もあるが、県民の命と暮らしを守ることが最優先だろう。原発ゼロの政治決断をし、廃炉への過程を歩み出すよう国に求めていくべきだ。原発に頼らないエネルギー政策は可能。太陽光や小水力など自然エネルギーへの切り替えを国とともに進める中で新たな産業や雇用の創出を支援し、地域経済の活性化につなげたい」

 −北陸新幹線の是非は。

 「東京との時間的距離が劇的に短縮される石川、富山と違い、福井県民にとって利はない。県民の七割超が『不要』と回答したデータもあり、街頭活動でも否定的な声は多い。在来線や乗り継ぎへの不安もある。国家財政も苦しい中、県民に負担を強いる建設は中止を求めるべきだ。最低でも見直しを求めないと将来に禍根を残すだろう」

 −地方活性化に向け。

 「安倍政権の掲げる『地方創生』は選挙対策のバラマキにすぎない。ふるさと商品券の発行支援や中小企業への補助金支給の一方で社会保障を削減し、大企業優遇税制もそのまま。上っ面のバラマキではなく、労働者所得の向上や社会保障の充実、農業振興などの問題解決に向け、メスを入れなければならない」

 (聞き手・北原愛)