名古屋 和泉流懐中聟かいちゅうむこ
- 聟 野村 又三郎
- 舅 佐藤 友彦
太郎冠者 鹿島 俊裕
教え手 井上 松次郎 - 後見 松田 髙義
今日は聟入りの日。世間知らずの聟は、物知りのもとへ聟入りの作法を尋ねに行く。からかってやろうと思った教え手は、盃事のあとに出された物を懐中すればよいと教える。聟が舅の家を訪ね、盃事がすむと、引き出物として弓が出される。聟はいろいろと苦心し、左右の袖口に通して懐中するが…。
かかしのような不自由な恰好で舞を舞わねばならない。そのおかしさが笑いを誘う。
今日は聟入りの日。世間知らずの聟は、物知りのもとへ聟入りの作法を尋ねに行く。からかってやろうと思った教え手は、盃事のあとに出された物を懐中すればよいと教える。聟が舅の家を訪ね、盃事がすむと、引き出物として弓が出される。聟はいろいろと苦心し、左右の袖口に通して懐中するが…。
かかしのような不自由な恰好で舞を舞わねばならない。そのおかしさが笑いを誘う。
柿売りが神事の市へ店を出し、客を待っている。そこへ参詣人たちが通りかかる。柿売りが風味のよい合わせ柿だというが、食べてみた客は渋いという。それでも柿売りは甘いと主張して自ら食べ、目を白黒させながらも甘いと言い張る。そこで口笛を吹かせてみると…。
「合わせ柿」とは、渋を抜いて甘くした柿のことを言う。柿尽くしの謡も聞きどころである。
鎌付きの棒を振り上げた妻が、逃げる夫の太郎を追い、それを止める仲裁人が登場する。夫が山へ薪を切りに行かないからだというので、仲裁人は二人をなだめ、妻とともに帰って行く。残された太郎は、このような仕打ちに合うよりは鎌で腹を切って死のうと決意し、いろいろと試みるがことごとく成就しない。
百姓らしく鎌で自殺しようとする太郎の一人舞台。その臆病ぶりの演技が見どころ。