<わが街の課題> (4)豊郷町 役場の耐震化
2019年4月16日
耐震補強か建て替えか議論が続く庁舎=豊郷町で |
補強か建て替えか。老朽化が進む役場庁舎への対応策が、豊郷町の大きな課題となっている。災害時には対策本部が置かれる庁舎だが国の耐震基準に及ばず、築九十年近くたつ旧館は補強工事をしても基準を満たせない。長く宙に浮いたままの方針の決定は待ったなしだ。
庁舎旧館は一九三〇(昭和五)年に建築、三階建ての本館は七七(同五十二)年に増築した。町は庁舎の耐震化が必要と診断された翌年の二〇一二年度、補強と建て替えの両案を作り、町議会に提案した。
ところが「予算が高すぎる」と一部議員から反発を受け、計画を再考することに。一三年度以降も町側は計画を立てては議会側に説明してきたが、理解は得られなかった。町議会は庁舎耐震化についての特別委員会を設置。独自に耐震診断した結果、旧館は補強したとしても耐震能力が無いことが分かった。
町は、一八年度の十二月議会全員協議会で再度、補強と建て替えの二案を提出した。内容は一二年度に出した初期の案と大きく変わらないが、七年の間に資材が高騰。消費税増税も重なって、ともに七億円ほどだった工事費用は、補強の場合が約十六億円、建て替えだと十三億円まで跳ね上がってしまった。
耐震化していない庁舎の建て替えの財政支援を国から受けるためには、二〇年度までに着工する必要がある。いつ起こるか分からない災害対策としても、庁舎耐震化の方針決定は急務だ。
(安江紗那子)
=終わり