<わが街の課題> (3)近江八幡市・栗東市 子育て施設整備
2019年4月14日
認定こども園の開園が遅れ、本年度も引き続き園児を受け入れることになった岡山幼稚園=近江八幡市加茂町で |
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近江八幡市では、子育て関連施設の開園延期が相次ぐ。対応を迫られた市は、今月から「子ども施設整備推進室」を庁内に設けて、対策に取り組んでいる。
岡山学区では、学童保育施設と認定こども園の整備が遅れた。開園予定はそれぞれ、昨年十二月と今年四月だった。建設資材の高騰による入札不調や、必要な鋼材の不足が原因だ。
桐原学区では、認定こども園の整備が遅れた。当初は今年四月の開園予定だったが、用地取得交渉が難航して一年延期。その後の交渉も進展せず、開園はさらに遅れて二〇二一年四月にずれ込む見通しだ。
市は当面の措置として、岡山幼稚園の閉園を一年遅らせるなど、現有施設を活用して園児の受け皿確保に努めた。十月から始まる幼児教育・保育の無償化を見据え、市は「待機児童が出ないよう万全を尽くす」としている。
(平井剛)
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栗東市は二〇〇七年の新幹線新駅建設計画の中止以降、深刻な財政難に陥った。積極的に企業を誘致し、日清食品の関西工場が建設されるなど、税収確保に尽力。市債残高はピークの一三年度に五百九億円だったが、一七年度決算では四百五十七億円と減少傾向にある。
人口が増加し続ける中、市民の暮らしに直結する施策の推進も必要不可欠だ。市の人口は本年度中に七万人を超えると見込まれており、若い世代の流入も多い。市は子育て政策の充実に力を入れる。一八年四月時点で県内二番目の多さだった待機児童については、今年四月に保育施設を二カ所増設し、計百三十九人を新たに受け入れられるよう整備。十月には、小規模保育園も二カ所新設予定だ。
一五年の選挙では投票率が市制移行後最低の43・94%に下がっており、市民の政治離れも課題の一つだ。