無所属当選者の行き先は 県議選一夜明け、会派再編活発化
2019年4月9日
七日に投開票された県議選(定数四四)は、今夏の参院選で野党統一候補の擁立を目指す「非自民」の勢力が増えたものの、自民、非自民のいずれも過半数に届かなかった。一夜明けた八日は、会派再編を見据えた動きが、早くも活発化した。公認、推薦を得ていない無所属の当選者を巡る綱引きが、今後の焦点となる。
自民は公認、推薦合わせて二十九人を擁立。うち十九人が当選したが、過半数には四人足りなかった。このため、無所属で再選を果たした良知会の海東英和さん(59)が自民会派に入る見通し。さらに、八日には県連幹部がある無所属新人の元に出向き、会派に入るよう働き掛けた。
県連の奥村芳正幹事長は「第一党の座を確立させたい」と説明。会派代表の家森茂樹さん(67)、県連会長代行の佐野高典さん(70)ら現職四人が落選した波乱の選挙結果を受け「ベテラン現職をなくしたのは大きな痛手だが、なんとか組織を立て直していきたい」と話した。
チームしがは公認した九人全員が当選したが、推薦した立憲民主公認の三人を含めても、改選前の十四議席には届かない。そのため、チームしが県議団に所属しながら無所属で臨んで当選した現職の山本正さん(61)、駒井千代さん(45)、清水鉄次さん(62)の三人の引き留めを図る。また、無所属新人への働き掛けも強める。
立民は、公認五人の全員当選を目指したが、当選者は三人にとどまった。全員がチームしが県議団に入る可能性が高い。党県連の山田実幹事長は「これから当選者や党本部と打ち合わせし、整理する必要はあるが、チームしがが最も力を発揮できる環境だろう」と語った。
共産は改選前から一増の四議席を獲得し、公明は改選前の二議席を死守して、それぞれ会派を維持する。良知会は、所属する木沢成人さん(46)と海東さんが当選。海東さんが自民会派に入れば木沢さん一人になるが、完全無所属のグループを維持しようと、他の無所属当選者に声を掛ける方針だ。
(成田嵩憲、森田真奈子)