統一地方選2019

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<解説>非自民勢力「夏」へ弾み

2019年4月8日

 統一選と参院選が重なる十二年に一度の「亥(い)年選挙」の県議選は、参院選で野党統一候補の擁立を目指す「非自民」の勢力が増え、参院選へ弾みを付けた格好だ。しかし、県議会が共産を除く「オール知事与党」態勢の今、この結果が県政運営にもたらす変化は、そう大きくはないだろう。

 知事と議会はともに選挙で選ばれ、民意を代表するため、「車の両輪」とされる。知事が県政運営の指針を示すのに対し、県議は地域ごとの有権者の考えを代弁する。地域の考えと県の方針がねじれた場合、県議、会派の力量が問われる。

 例えば、国が凍結している大戸川ダム(大津市)の効果を検証する県独自の勉強会。前知事時代から建設を訴え続けた自民が、知事に歩み寄らせた成果だ。ただ、建設に「緊急性はない」とするチームしがも、勉強会設置には賛同し、現時点では違いが見えにくい。

 自民と非自民で意見が対立すれば、知事は両者の意見を見極めるため、議論が深まる。近年相次ぐ災害の対策をはじめ、滋賀国体の準備、琵琶湖の環境対策など課題は山積している。議会と知事は互いに緊張感を持って向き合ってほしい。

 四十三万人−。今回、投票した人数も忘れてはならない。無投票の選挙区を含めた全有権者百十五万人のわずか37・3%。四割未満の民意によって立つ議会を生んだ。有権者と県議の距離が遠ざかれば、県政への関心もさらに薄れる。

 (成田嵩憲)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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