統一地方選2019

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<県議選・激戦区ルポ> (下)長浜市

2019年4月5日

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 前回選より1人多い6人が立候補した激戦区。現職3人と、いずれも市議からの転身組の新人3人が、激しいつばぜり合いを演じている。前回、議席を3から2に減らした最大会派の自民は、前回トップ当選を果たした公認の現職1人と、推薦の新人3人が、保守層の支持獲得に奔走。「非自民、非共産」の受け皿として存在感を示したい地域政党チームしがと、前回選で初議席を獲得した共産は、いずれも現職の議席死守が命題だ。

 県東北部に位置する長浜市は、旧長浜市と旧東浅井郡の浅井町・びわ町・虎姫町・湖北町、旧伊香郡の高月町・木之本町・余呉町・西浅井町の一市八町が合併して誕生。二度の選挙区再編を経て、県議のいすは四つになった。各候補者は広大な選挙区を駆け回り、支援を呼び掛けている。

 現職一人が引退する自民は定数と同じ四人を擁立したが、選挙区内を旧市町単位などで分割して重点地域をすみ分ける戦略は、取らない。四陣営は攻守所を変え、地域入り乱れての集票合戦を繰り広げている。

 議長の川島さんは、三期の実績と唯一の党公認候補であることを強調。約百の企業・団体から推薦を得た。地盤の旧長浜市を固め、旧東浅井郡と旧伊香郡にもくい込む。個人演説会では「インフラ整備と教育の充実を進める」と強調。先月末には石破茂・元党幹事長が訪れ、票の上積みと陣営の引き締めを呼び掛けた。

 柴田さんは「県最北の候補者」を掲げ、地盤の旧木之本町をはじめ旧伊香郡での支持固めに力を入れる。産業・経済・観光振興や福祉の充実を掲げて「国と市のパイプ役となる」と強調。大票田の旧長浜市でも浸透を図り、先月三十一日の個人演説会では長浜青年会議所時代の人脈などで約百五十人の支持者を集めた。

 「暮らしを守る」を掲げる藤井さんはヘルメットに作業服姿がトレードマーク。町議や市議として培った人脈を生かし、地盤の旧虎姫町から旧東浅井郡全域、旧長浜市への支持拡大に力を注ぐ。公明党支持層への浸透も図る。個人演説会では防災・減災や学力向上、認知症対策をはじめとする福祉の重要性を訴える。

 旧高月町が地盤の浅見さんは、旧伊香郡を中心に精力的に街宣活動をする一方、市遺族会や会社員時代の人脈で各地の票をたぐる。有権者が多い旧浅井町では、前回選で自民から出馬し落選した元市議からの支援を取り付けた。個人演説会では十九年間の町議、市議の経験を強調し、「南北格差の解消を」と力説する。

 チームしがは、前回三番手で獲得した現有議席の維持に、全力を挙げる。

 大橋さんは、地盤の旧高月町を含む旧伊香郡から保守系二人が出馬したことで「過去の選挙で一番厳しい戦いだ」と危機感を強める。格差是正や防災対策を訴え、支持層と企業の労組票を固める。街宣活動では、チームしが代表で前知事の嘉田由紀子さんらの支援を受け、旧郡部、旧長浜市での支持拡大に懸命だ。

 「知事野党」として勢力の拡大を目指す共産は、前回二番手で得た現有議席の死守が大前提だ。

 杉本さんが発行する「県政レポート」は二十七回を重ね、県立高校のエアコン整備などに道を開いた実績を強調。告示後はこまめな街宣で「消費税率10%への引き上げは中止すべきだ」などと訴え、地盤の旧湖北町から各地へ浸透する。漁協やグラウンドゴルフで培った人脈を生かし、党支持層以外にもくい込む。

 (相馬敬、渡辺大地)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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