<県議選選挙区の構図> 大津市
2019年3月24日
統一地方選の前半戦となる県議選(三月二十九日告示、四月七日投開票)まで一週間を切った。四十四の議席を巡り、県議会の政党勢力図がどう変化するかも注目される。六十一人が立候補の意向を示す中、十三選挙区の情勢を探った。
(県議選取材班)
◆大津市(定数一〇)
佐野高典 70 党県役員 自現<5>
佐藤健司 46 (元)市副議長 自現<2>
目片信悟 53 (元)建設会社長 自現<2>
山本進一 64 会社社長 自現<2>
桑野仁 60 NPO理事 自現<1>
佐口佳恵 45 行政書士 立新 =社し
中村才次郎 59 党県副代表 公現<1>
清水ひとみ 59 (元)市議 公新
節木三千代 60 党中央委員 共現<2> =社
黄野瀬明子 36 (元)市議 共新 =社
成田政隆 44 NPO理事 し現<3> =国社
河井昭成 45 (元)市議 し新 =国社
有権者数は二十八万人と県内最多で、各党派の勢力争いの鍵を握る。立候補の表明は現職八人、新人四人の計十二人で、前回より一人少ない。自民は現職五人の議席確保を図り、共産と公明、地域政党「チームしが」はそれぞれ現職と新人を一人ずつ擁立。立民は新人一人が挑む。
堅田漁協組合長の佐野は琵琶湖の環境を第一とした「琵琶湖主義」を提唱。市北部の支持層を中心に後援会活動を活発化させる。
前回トップ当選だった佐藤は、市議時代から拠点とする市南部を中心に支持拡大に力を注ぐ。スポーツや文化の振興を訴える。
目片は初めて自民公認を得た。県の財政健全化を第一に、子育て支援や高齢者福祉の充実を訴え、市南部を地盤に支持を広げる。
前回は最下位当選だった山本は、拠点の市中心部から巻き返しを図る。会社経営の立場から、経済やまちづくりの団体と連携する。
昨年六月の補選で初当選した桑野は、教育の充実や経済活性化を訴える。地元自治会の協力を得ながら、票の掘り起こしを図る。
佐口は立民公認候補では唯一の女性で、行政書士から転身を図る。「対話と共感」を大切に、街頭活動を繰り返して浸透を図る。
中村は、市北部を中心に選挙戦を展開する。通算三十二年間の教員経験を生かし、現場の声を県政に届けてきた実績を訴える。
清水は大津市議を二期経験。中村の地盤だった市南部を引き継ぎ、教育や子育て、福祉などの施策を女性の視点から主張する。
節木は、市中心部を地盤に市内の党支部と連携を強める。子どもの医療費助成拡充や消費増税などを政権批判と絡めて訴える。
黄野瀬は前回は次点に泣き、昨年六月の補選でも落選して雪辱に燃える。子育て世代の代表として、若い世代を中心に浸透を図る。
成田は連合などと連携し、地盤の市北部を中心に支持を広げる。地域活性化に向け、教育や介護福祉、防災などの充実を訴える。
河井は昨年六月の補選で敗れ、二度目の挑戦。出身の東レ労組を軸に支援を受け、雇用環境の確保や子育て支援の充実を訴える。
(敬称略)
【注】立候補予定者の掲載順は政党、諸派、無所属の順で、政党は衆院勢力順。同一党派では現職、元職、新人の順で、現職は当選回数順。新人は五十音順。党派の略称は自=自民党、立=立憲民主党、国=国民民主党、公=公明党、共=共産党、し=チームしが、無=無所属。