統一地方選2019

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<党派の動き・県議選> (下)立民、国民、チームしが、共産

2019年3月15日

 「夏の参院選をにらみ、統一地方選では自民の議席を減らし、野党を増やす。そのための構築関係だ」

 二月、国民民主党と立憲民主党の両県連が県議選で「相互推薦」を行うと発表。国民民主党県連の徳永久志代表は、県庁での記者会見でこう言い切った。隣にいた立憲民主党県連の笠原吉孝代表も「ほとんどの選挙区で、立民と国民の候補がすみ分けされている。非自民の力を結集して勝ちたい」と強調した。

 旧民進党勢力は、今回が二〇一七年秋の党分裂後、初めて迎える県議選となる。今夏の参院選での野党候補一本化も見据え、県議選での協力関係を構築した。

 立民は、かつて民進に所属した現職二人、新人二人、元職一人の計五人を公認。国民は、旧民進所属の現職六人、新人二人の計八人に推薦を出した。その上で、両党の県連が相互に推薦を決定し、十三人全員の当選を目標に掲げる。

 三日月大造知事を一期目から支える地域政党「チームしが」は、国民推薦の六人と無所属三人を公認し、立民公認の五人を推薦した。

 立民、国民の県議らでつくる県議会会派「チームしが県議団」の現有議席は十四。立民、国民、チームしがの公認、推薦候補を全て足すと十六人になり、無所属の仲間二人を足しても過半数には届かない。守りの選挙となりそうだ。

 そうなった背景には、旧民進党分裂の混乱を受け、かつての「民主王国」の勢いが影を潜めたことにある。国政選挙では衆院、参院ともに自民が議席を独占。チームしが県議団の中核となる立民、国民の存在感は、有権者に十分浸透しきれていないのが現状だ。

 県政を見ても、昨年六月の知事選で、最大会派の自民が三日月知事の支援に回った。自民との大きな違いがなくなり、「知事与党」の立場が揺らいでいる。

 ただ二月末、国民、立民県連は、結束の強さを見せつけた。今夏の参院選滋賀選挙区(改選数一)で、両党は前知事の嘉田由紀子さん(68)を野党統一候補として推すことに合意。三月初旬、大津市であった連合滋賀の集会でその結果を報告した。

 県議選で議席を伸ばし、参院選へ攻勢を仕掛ける足掛かりにできるのか。両党は三日月県政を誕生させた「知事与党」をあらためて主張し、原発ゼロや格差社会の改善などで、自民との違いを訴える方針だ。

    ◇

 共産は六選挙区で新人四人を含む計七人を公認。現有の三議席からの飛躍を目指し、議会で代表質問権が得られる五議席以上の獲得を狙う。

 ただ、共産には悪夢がある。一一年の県議選で立候補した六人全員が落選し、三つあった議席がゼロになった経験だ。だが今回は、三日月県政を批判する唯一の「知事野党」を強調し、支持を訴える考えだ。

 舌戦では政権批判も絡め、支持拡大を狙う。党県委員会の石黒良治委員長は「安倍政権の暴走による地方破壊をやめさせ、県民の願いに応えた政治を実現する」と決意を語る。

 (この連載は成田嵩憲、浅井弘美、森田真奈子が担当しました)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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