統一地方選2019

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候補は熱く、党は静かに 立民県連、慎重な船出

2019年4月18日

 統一地方選の後半戦で、立憲民主党が県連としての選挙活動を始めた。全国の中でも立ち遅れていたが、四日市と鈴鹿の市議選に一人ずつ公認候補を立て、津と鈴鹿の市長選などで四人を推薦した。ただ、県内には野党分裂を避けるため、岡田克也衆院議員らが設立した地域政党の三重民主連合がある。立民関係者は「遠慮しながらの活動にならざるを得ない」と本音も漏らしている。

 立憲民主党の県連は二月に設立総会を開いたばかり。芝博一参院議員が代表、松田直久元衆院議員が幹事長を務める。芝氏は三月の記者会見で「統一地方選後半から、県連として活動を始めたい」と話していた。

 四日市市議選で二期目を目指す現職(40)は、立民を選んだ理由を「地方から声を吸い上げるボトムアップの政治に共感した。地方からちゃんとした組織をつくりたい」。出陣式には芝氏が駆けつけ「忖度(そんたく)ばかりの安倍政権でいいのか。人口減の中で、お互いさまが支え合っていける地域づくりが必要だ」と党色を前面に出した。現職は「前回は旧民主党の公認で出馬し、有権者から厳しい声をもらうこともあった。今回は応援の声もあり、党に期待している人は多いのではないか」と手応えを語る。

 鈴鹿市議選の立民現職(73)も以前から二大政党制を志向し、「自民が独壇場となっている国政の現状を打開するため、野党結集の雰囲気を地方からもつくりたい」と意気込む。ポスターに党公認と記し、個人演説会では公認申請した思いも強調し、「市民が手を振ってくれ手応えを感じる」。野党では支持率が高いだけに「得票につながればとの思いはある」と話した。

 ただ、県内の旧民進系勢力の中心である岡田氏は、野党の分裂を嫌って民主連合をつくり、中川正春衆院議員とともに国政政党に所属しない無所属を貫く。今夏の参院選も、立民、国民民主双方を支援する労組などから広く支持を得る必要があるとして、民主連合を主体に臨む方針だ。岡田氏に近い県議も「参院選が終わるまで、県議は立民に所属してもらいたくない」と立民と距離を置く。

 立民県連が準備してきた党の街宣車は統一選には間に合わず、「芝氏、松田氏が個別に候補者の支援に入っている」(党関係者)。芝氏と松田氏は民主連合にも所属し、立民としての緒戦で思い切った活動ができない状況が続いている。

 (高島碧、片山健生、森耕一)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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