統一地方選2019

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津市長3選、前葉さん「新時代」強調

2019年4月16日

 「新しい時代に向けて一歩先を行く市政を、志を高く持ってまっすぐに進めていく」。十四日午後五時すぎ、無投票で三選を果たした前葉さんは、津市大門の津観音寺で開かれた当選報告会で、集まった支援者を前に力強く宣言した。

 午前九時半からの出陣式では衆院議員、県議、市議、団体関係者ら千人が集まり、盤石の支援体制を演出した。式の後は選挙カーで旧十市町村をくまなく回り、街頭演説でこれまでの実績や地域ごとの施策を説明した。

 当選報告会では、鈴木英敬知事らとともに万歳三唱して喜んだ。無投票での当選に「これまで市民の皆さまからいただいた市政への意見を一つ一つ積み上げ、解決に向けて考えることで当選への恩返しをさせていただきたい」と述べた。

 次の四年間では待機児童の解消や放課後児童クラブの整備など「子どもたちのための政策を一丁目一番地において進めていく」と強調。インフラ整備や健全財政も維持していくと訴えた。

 (斉藤和音)

<解説> より真摯に声を聞いて

 県都で初めての連続無投票は、前葉さんの堅実でスピード感ある市政運営に対する一定の評価とみて良いだろう。

 合併特例債を活用した大型事業を着実に進め、財政の健全化を図る一方、二百二十二回の地域懇談会を開き、市民の声を市政に反映させようと努めてきた。小中学校へのエアコン整備などでは、全国市長会の副会長として国政にもの言える首長としても存在感を発揮した。

 だが、市長選の無風は安心感の裏返しではない。選挙を通じた議論の攻防で、政策はもまれていく。少子高齢化対策や中心市街地の活性化など長期的な目線で取り組むべき課題は多いが、無投票で有権者に選択肢は与えられなかった。

 前葉さんは「市民の暮らしに寄り添った政策をしていく」と明言した。市が抱える課題は、市民の理解がなければ解決できないことばかり。無投票だったからこそ、これまで以上に真摯(しんし)に市民の声に耳を傾けてほしい。投票する機会を失った有権者約二十三万人に対する責務でもある。

 (斉藤和音)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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