統一地方選2019

メニュー

自民「主導権握れる」 旧民進系「厳しい運営に」 最大勢力逆転の県議会

2019年4月9日

写真

 七日に投開票された県議選(定数五一)は、自民党が公認、推薦を合わせて二十三議席を獲得し、一九九九年の改選以来となる単独での最大勢力を奪還した。ただ、旧民進党系も一議席差の二十二議席を確保しており、八日には今後の議会での主導権争いを意識した発言が聞かれた。

 四年前の前回選は、旧民主党系が二十三議席、自民党が二十一議席。この形勢を自民党は逆転させた。公明党の二議席を含めると過半数まで一議席の二十五議席となり、自民党県議団の水谷隆団長は「議会で主導権を握れる」と自信を見せた。公明党県本部の中川康洋代表も、自民が少数会派の議員を巻き込んで「過半数の勢力ができることを期待したい」と述べた。

 ただ、自民党は昨年、定数削減問題で会派が三つに分裂した。現状のままなら二十三人の当選者は、自民党県議団十五人、自民党五人、鷹山三人に分かれる可能性が高い。第一会派を重視する議会運営の慣例があり、水谷団長は「二十三人でひとつになれば、第一会派になれる。そのために汗をかきたい」と話す。ただ、水谷氏は今季で引退し、まとめ役がいないとの見方は強い。定数問題でのわだかまりは消えておらず、ベテラン県議から合流に否定的な声も上がった。

 一方の旧民進党系では、三重民主連合の三谷哲央幹事長が「全国的に自民党が堅調な中で善戦健闘だった」と総括した。新政みえ会派の代表でもあり、自民に最大勢力の座を譲り渡したことで「厳しい議会運営になる」としつつも、自民の分裂が続けば「われわれが第一会派だ」と見据えた。旧民進系は当選した二十二人のうち、二十一人が新政みえ会派に所属する予定。

 桑名市・桑名郡で自身が最終議席に滑り込み、苦戦が伝えられた多気郡、度会郡でも激戦を制したことを挙げ、「参院選に向けて好材料」と評価した。夏の参院選も、立憲民主党や国民民主党ではなく、民主連合を主体に臨むことには「三重でより広く支援を集めるには、国政政党の枠を超えたこの形がいい」と強調した。

 県議選では定数問題も焦点となった。自民の水谷氏は「都市部で定数削減を訴えたことは効果があった」と評価。民主連合の三谷氏は「影響はゼロではなかったが、選挙で争点にすると、議員は少ないほどいいというポピュリズムになる」と自民の動きを批判した。

 一方、知事選で自民、公明に加えて新政みえからも推薦を受けた鈴木英敬知事は、県議選の結果を受けて「特定の会派や政党に偏ることはない」と話し、自民、新政の双方と政策などの協議を続けていく考えを示した。

(森耕一、鈴鹿雄大)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
ページトップに戻る

Copyright © The Chunichi Shimbun, All Rights Reserved.