瑞穂市長選、現新一騎打ち 多治見、土岐、山県は無投票
2019年4月16日
統一地方選の後半戦のうち、県内では四市長選と九市議選が十四日、告示された。市長選は瑞穂市で現職と新人の一騎打ちに。多治見、土岐、山県市は無投票で当選が決まった。九市議選は総定数一九八に対し、二百三十二人(うち女性二十三人)が立候補を届け出て、いずれも選挙戦に突入した。市長選、市議選とも二十一日に投開票される。
瑞穂市長選は、元市福祉部長の無所属新人森和之さん(60)と、再選を目指す無所属現職棚橋敏明さん(69)が立候補した。
森さんは地元の野白新田自治会や区長らの支援を受け、今回の県議選で初当選した元市議の地盤の牛牧でも、支持拡大を目指す。
棚橋さんは自民系市議や農協の支援を受ける。高校生医療費無料化などの実績を訴え、若者や子育て世代に広く呼び掛けている。
朝夕の慢性的な渋滞が発生しているJR穂積駅の周辺整備や、処理場予定地の住民が反対して滞っている公共下水道事業などは、両候補とも推進を掲げる。
一方、市長選で無投票当選を決めたのは、多治見市の無所属現職古川雅典さん(66)、土岐市の無所属新人加藤淳司さん(62)、山県市の無所属現職林宏優さん(67)の三人。受け付けが締め切られる午後五時までに、それぞれ他の候補の出馬はなかった。
◆「市民と元気都市つくる」 多治見市長選、古川さんが4選
多治見市長選で無投票での四選を決めた現職の古川雅典さん(66)は、十四日午後五時の当選確定直後に同市前畑町の事務所に姿を見せ、支援者とがっちり握手して喜びを分かち合った。
持ち前のよく通る高い声で「市民の皆さんと元気都市をしっかりとつくっていく」と表明。人口減少と、空き店舗が目立つ駅前商店街への対策として「コンパクトな中心市街地にして、愛知県からの移住と定住を進める」と、若者にとって魅力ある街づくりに力を入れる考えを強調した。
市議と県議を計二十年務めたのに続き、市のかじ取りを担って十二年。今回は商工業や労働組合など五十団体以上から推薦を受け、三回連続の無投票となった。「慢心や有頂天にならないようにと厳しい指摘も受けた。市民参加の市政運営を進め、市議会の声に謙虚に耳を傾けていく」と述べた。
事務所の中に入りきれず、駐車場のテントの下で聞いていた住民にも一人一人握手を求め、支援に感謝していた。
(野瀬井寛)
◆「信任得られるよう努力」 土岐市長選、加藤さん初当選
土岐市長選で無投票での初当選を決めた加藤淳司さん(62)は十四日午後六時、同市土岐津町土岐口の事務所で支援者から花束を受け取り、控えめにほほ笑んだ。
現職の引退に伴って、二月に副市長を退職して出馬した事実上の後継者。対立候補が出ずに、無投票当選となったことに「これから市民の信任をいただけるよう、頑張りたい」とやや緊張気味に力を込めた。
副市長時代には、市立総合病院と東濃厚生病院(瑞浪市)を将来的に統合する方針を取りまとめた。一部住民には根強い反対論があるが、「地域にとってどういう医療が必要か、皆さんと考えて結論を出したい」と、市民と話し合う姿勢を示した。
三月に開庁した市役所新庁舎に触れ、「立派な器に恥じないようかじ取りをしたい」「市民と接点を多く持つよう心掛けたい」と表明。あいさつ中に「おじいちゃん」と会場で声を上げた孫の生奈(はな)ちゃん(4つ)をほおを赤らめて抱き上げる場面もあった。
(斎藤航輝)
◆「ジャンプする機会得た」 山県市長選、3選の林さん笑顔
山県市長選で無投票で三選を決めた無所属現職の林宏優さん(67)。当選が確定した十四日午後五時ごろ、山県市東深瀬の事務所に戻ると、降りしきる雨の中で多くの支援者らの出迎えを受け、深々と頭を下げた。
前回に続いての無投票当選。あいさつでは「力強い支援のおかげで、一期目、二期目のホップ、ステップから、ジャンプする機会を与えていただけた」と感謝した。万歳三唱などの後、支援者らから花束を受け取ると、笑顔を見せた。
来年は、市にゆかりがあるとされる戦国武将・明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の放送や、東海環状自動車道の高富インターチェンジ(仮称)の供用開始が迫る。
「一つずつの施策を一生懸命積み重ね、チャンスを生かし、山県市から外へメッセージを発信したい」と決意を表明。「歴史が深い町だと地元の皆さんに伝え、シビックプライド(地元への愛着)を高めてもらいながら、まちづくりを進めていきたい」と意気込みを語った。
(鳥居彩子)