<直前展望>市町村長選
2019年4月11日
統一地方選の後半戦に位置づけられる市長選・市議選が14日、町村長選・町村議選が16日にそれぞれ告示される。県内では8市町村長選と、17市町村議選が予定され、いずれも21日投開票。告示直前の情勢を2回に分けて紹介する。
◇多治見市
古川雅典 66 無現<3>
四選を目指す現職の古川の他に立候補の動きはなく、三回連続で無投票となる可能性が高い。
古川は企業誘致などの実績を訴え、多治見駅周辺の再開発や市外からの移住推進などを公約に掲げた。労働組合や経済団体からの推薦を得て支持を固める。
◇土岐市
加藤淳司 62 無新=自
元副市長で新人の加藤以外に立候補の動きはなく、無投票の公算が大きい。
加藤は、市立病院と東濃厚生病院の将来的な統合など現市政の政策を実質的に引き継ぎ、駅前再生や広域連携の推進を掲げる。自民県連のほか陶磁器業界や医師会などの推薦を受ける。
◇山県市
林宏優 67 無現<2>=自公
三選を目指す現職の林の他に立候補の動きはなく、前回に続いて無投票となる可能性が高い。
林は保育料の無料化や企業誘致などの実績を訴え、子育て支援の拡充や経済活性化を公約に掲げる。自民、公明の推薦を受け、支持を固める。
◇瑞穂市
棚橋敏明 69 無現<1>
森和之 60 無新
再選を目指す現職の棚橋と新人で元市福祉部長の森による一騎打ちとなりそう。
棚橋は自民系市議の支援を受ける。高校生の医療費無料化、年度内に全小中学校で電子黒板の導入が完了する見通しになったことなど実績を強調。国道21号六車線化などの国への働き掛けに尽力した点も訴える。
森は、地元の自治会や区長らの支援を受け、今回の県議選で初当選した元市議と協調する。小まめに街頭に立ち、現在の市政運営にはスピード感が足りないと主張して「停滞から元気なまちへ」と訴えている。
当初の計画より大規模化したJR穂積駅圏域拠点化構想や、処理場予定地の住民が反対して滞っている下水道事業は、両候補とも重要施策に掲げている。
◇垂井町
中川満也 64 無現<4>
早野博文 61 無新
五選を目指す現職の中川に、新人で前町総務課長の早野が挑む一騎打ちとなる公算が大きい。
中川は、新庁舎建設や二カ所目のこども園開園など四期十六年の実績を強調。建設中の府中離山工業団地を軸とした雇用創出や福祉の充実を訴える。町内企業の支持を集め、集会には近隣市町の首長も訪れる。
早野は住民の声を反映させる「町民目線」の町政への転換を訴える。玄関まで送迎する乗り合いバスの導入、南宮大社周辺の観光振興などを掲げる。居住する東地区を地盤につじ立ちや各地での活動報告会を重ねる。
◇安八町
堀正 63 無現<2>
川畑泰治 45 無新
三選を目指す堀と、新人で元町消防団副団長の川畑の一騎打ちで、八年ぶりに選挙戦となる見込み。町政の継続を強調する堀に、変革を求める川畑が挑む。
いずれも名神高速道路の安八スマートインターチェンジ(IC)を活用した企業誘致、地域活性化を訴える。
堀は二期の実績を強調し、将来的なIC周辺の市街地化のほか、認定子ども園のサービス均等化、エアコン設置を公約に掲げる。
川畑は現町政を「説明責任を果たしていない」と批判し、住民と直接対話できる町政の実現、町職員の働き方改革の推進を目指す。
◇坂祝町
南山宗之 63 無現<3>
柴山佳也 63 無新
四選を目指す現職の南山と、新人で元町議の柴山の一騎打ちとなりそう。現町政への評価が争点となる。
南山は、国道21号坂祝バイパス開通やポンプ場増設などの災害対策を進めた実績を強調。子育て拠点施設の整備や商業地域の開発などを公約に掲げる。連合岐阜の推薦を得て、組織票固めを図る。
柴山は、町教育課長などを務めた豊富な行政経験を前面に出し、議会や住民との対話を重視した町政への転換を訴える。地元の酒倉地区を基盤に自治会やボランティア団体などを通じて浸透を目指す。
◇白川村
成原茂 65 無現<2>
三選を目指す成原の他に目立った動きはなく、前回に続き無投票となる可能性が高まっている。成原は、これまで取り組んできた福祉サービスの充実や企業誘致の実績を訴える。
(統一選取材班、敬称略)