
Bitter Sound of
Dragons Blue
試合経過のソニフィケーション
2024年春の名古屋は世界の中心だった。8年ぶりの単独首位、10勝一番乗りのスタートダッシュに、お調子者のテレビ番組は朝から優勝が決まっているかのようにはしゃいでいた。高層ビルに改築されたばかりの名古屋・栄の中日ビルに出向している同僚を問い詰めたものだ。「優勝パレードの最後の万歳に使うテラスがないのはどういうことだ」
あんなに楽しかったじゃないか。
チームは失速。ゴールデンウイークには借金生活になり、名古屋の人々の笑顔も消えた。東海地方の喫茶店チェーン、コメダの既存店売上高は5月、前年比95.5%に落ち込んだ。ドラゴンズが負けて、喫茶店で何を話せというのだ。
青い血が流れているドラゴンズファンの心に響く音楽はブルーノートのままだ。音符化のアルゴリズムに従って、7月5日の広島戦の主旋律を奏でると以下のようになった。
高橋宏斗投手が99球で今季初の完封勝利を挙げ、ドラゴンズの投手としては8年ぶりに「マダックス」を達成した。完全に抑えた広島側攻撃(奇数小節)の単調な四分音符がなぜ、こんなに悲しく聞こえるのだろう。
立浪監督は9月18日、今季限りでの退任を表明した。中日スポーツの立浪語録も翌朝から途絶えた。ファンが待望したミスタードラゴンズに計り知れない傷を残して、立浪ドラゴンズの3年間が終わった。
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ブルーノート ジャズやブルースで多用される、黒人音楽にルーツを持つ独自の音階。短調の音階は以下の通り。
音符化のアルゴリズム 1イニングは1小節、1打者は1音で打席結果に応じて音程と長さを以下のように決める。
打席結果 | 音程 | 長さ |
---|---|---|
本塁打 | 4音上 | 1打点で2倍、2打点で3倍になり、4打点(満塁本塁打)は5倍 |
三塁打 | 3音上 | |
二塁打 | 2音上 | |
単打・野選 | 1音上 | |
ゴロ・フライ エラー | 1音下 | |
三振 ダブルプレー | 2音下 | |
音程は守備時には上下が逆になる |
音程はイニングごとにド(C4)に基準を戻す。また、収まりのいい20小節で終わるよう、最後のイニングをリフレインする。
データ 試合経過は日本野球機構の公式データを使用した。音はTone.js、楽譜の描画はVexFlowを使用した。