県議選 11新人当選 30代3人 世代交代進む
2019年4月8日
第十九回統一地方選は七日、前半戦の十一知事選と六政令市長選、四十一道府県議選、十七政令市議選が投開票された。富山県議選は選挙戦となった九選挙区で投開票され、無投票だった四選挙区の七議席と合わせ、十三選挙区の四十議席が確定した。新人十一人が当選し、世代交代が進んだ。投票率は過去二番目に低い47・08%。保守分裂で注目の福井県知事選は無所属新人が勝利し、大阪府知事、大阪市長のダブル選は、いずれも大阪維新の会が制した。
富山県議選の注目選挙区の富山市第1(定数一一)では自民、公明、社民、共産の現職八人と自民新人三人が当選。保守分裂の様相となった黒部市(同二)では、自民現職と無所属新人が勝利。現職二人が引退した射水市(同三)は自民現職と新人、共産新人が当選した。
自民は現職二十五人、新人八人の公認候補三十三人を擁立し、富山市第1の現職を除く三十二人が当選。改選前の三十議席から二議席上積みし、全議席の八割を占めた。
社民は現職三人が当選したが、射水市の新人は落選。改選前から一議席減らした。共産は富山市第1の現職に加え、射水市で初めて議席を獲得。一増の二議席とし、四十年ぶりに複数議席を確保した。公明は一議席を守り、維新は議席獲得を逃した。無所属は新人二人が当選した。
無投票当選者を含む新旧別は現職二十九人、新人は三十代三人を含む十一人。女性議員は一人増の四人となった。
低投票率 不信感の表れ
「失われた信頼を取り戻す」「信頼される県政を実現する」。候補者の出陣式や街頭演説に足を運ぶと、そんな言葉を耳にした。
富山県議三人が辞職した二〇一六年の政務活動費不正問題で、県議会に対する信頼は失墜した。今回は問題発覚から初めての本戦。県議会が進めた議会改革の取り組みを訴える好機であるとともに、県民からの信頼を確かめる機会でもあった。
だが、投票率は過去最低だった前回から微増したものの47・08%。過半数の有権者は投票しなかった。議会改革の取り組みや政活費への言及も期待していたほど多くはなかった。「誰も信頼できない」「県議なんていなくても同じ」。そんな有権者の声も聞いた。議会への不信感と無関心が投票率の低迷に表れたのではないか。信頼回復へはまだまだ道半ばといえる。
当選者四十人は、不断の議会改革を行う決意を新たにしてもらいたい。県民に成果を伝え、目標を共有する努力が不可欠だ。
そして、投票に行かなかった有権者はいま一度考えてほしい。住民の関心が薄ければ、よりよい議会の実現は困難だ。愛想を尽かして突き放すのではなく、厳しくも温かい目で議会を見守る姿勢が必要ではないか。 (酒井翔平)