小山町長選で初当選した池谷晴一さん（６９）は「あざといとまで言われた小山のイメージを変えていく」と、ふるさと納税の運用見直しに意欲を示した。

　「おめでとー！」。午後九時四十五分ごろ、池谷さんの事務所に当確の情報が入ると、支援者約百五十人は歓声を上げて喜んだ。妻、母と支援者の前に立った池谷さんは「ふるさと納税是正に全力で取り組み、六月以降も制度運用を認めてもらえるよう国に働き掛ける」と声を張り上げた。

　選挙戦では、現職の込山正秀さん（７１）が組織力で優位に立ったのに対し、池谷さんは高い返礼率や地場産品以外の返礼品を設けたふるさと納税の運用を「自治体にあるまじきルール違反」と批判。町内を丹念に巡り、町民目線での改革を訴えた。

　池谷さんは記者団の取材に「選挙結果は町民が強引な政治の変革を望んでいる表れ。子どもの健全育成に長年取り組んできたことも認められたと思う」と勝因を分析した。

　今後のふるさと納税運用については「地域の産業振興に力を入れ、返礼品に地場産品を増やす」と構想を語った。

　敗れた込山さんは取材に「接戦は予想してたが、まさか負けるとは。町民の判断に従うしかない」と力なく語った。敗因については「ふるさと納税により、町民のためのお金が入ったということを説明しきれなかった。批判票に負けた」と述べた。

　今後の政治活動は未定としたが「明日選挙があれば出る。小山への気持ちは変わらないから、四年後もリベンジするかも」と、町政への強い思いをにじませた。

（杉原雄介）

　◇小山町長選確定得票

当　５，２６６　池谷　晴一　無新　当選＜１＞

　　４，８０６　込山　正秀　無現