湖西市議 元市長・三上さん初当選
2019年4月22日
湖西市議選(定数一八)は二十人で争われ、現職十四人と新人四人が当選した。投票率は59・70%で前回選よりも2ポイント余り低く、過去最低だった。
当選した十八人は、無所属十五人と、立憲民主、公明、共産が一人ずつ。立民新人の元市長、三上元氏(74)も仕事を持ちながら議員活動ができる「夜の議会」開催を掲げ、千七百票余りを集めて初当選した。女性議員は前回と同じく四人。
無所属現職の楠浩幸氏(56)が、三期連続のトップ当選を果たした。連合静岡などの推薦を受け、二千六百票近くを得た。
選挙戦では、六十、七十代がほとんどの市議の年代の偏りを受けた議会改革や少子高齢化対策、防災への対応など、各候補者がさまざまな主張を訴えた。
◆働く若者に「夜の議会」 議員活動しやすく
当選が決まり支持者らと笑顔を見せる三上元さん(手前中央)=21日、湖西市岡崎で |
元市長の立民新人、三上元さん(74)が湖西市議選で初当選した。二〇一六年まで三期、十二年間務めた元市長は「現役世代が参画でき、若い世代の声が届く議会にしなくては」との決意で、働きながら議員活動ができる「夜の議会」実現など議会改革を掲げて出馬。高い知名度と合わせて広く支持を集めた。
午後十時半すぎ、早々に当選確実の一報が選挙事務所に入ると、三上さんは集まった支援者から花束を渡され祝福された。「『夜の議会』を必ず実現し、さらに全国に広げていきたい」と粛々と語った。
現職が三人引退を表明し、一時は無投票もささやかれた告示の約一カ月前に出馬を決意。「立候補者全てが無投票で当選するレベルの低い市議会でいいのか」との危機感だった。
三月下旬、アンケート三千枚を市内に配布した。現職市議が五十代の一人を除き、六十代、七十代が八人ずつという年齢層の偏りを危惧。若手参画実現のために、夜間に議会を開催し日当で活動する「夜の議会」導入か、定数を半減し報酬を二倍にする改革か、どちらが良いと思うか尋ねた。
返ってきた約三百の回答の約四分の三が「夜の議会」を選んだという。「若い人でも仕事を辞めずに議員になれ、四年ごとの選挙で失業する心配もない。日当報酬制はコスト削減にもつながる」と指摘する。
自身も七十四歳。「引退した元市長がなぜ」との批判は承知の上。「市長も市議も地方政治を良くしたい思いは同じ」と力を込める。一期だけと決め、「若い人が出られる仕組みをつくってバトンを渡す」。続々と祝福に訪れる市民らを前に覚悟を宣言した。
最年少の無所属新人、柴田一雄さん(42)も初当選し、喜びを見せた。四十代の当選は八年ぶり。選挙戦では「一日十回演説する」と決め、市内各地の交差点に立った。「現役で働く世代や若者、子育て世代の声を届け、政治離れを食い止めたい」と力強く語った。
(片山さゆみ、角野峻也)