富士宮市長選 須藤さん、無投票で3選
2019年4月16日
後援会幹部らと万歳し、笑顔を見せる須藤秀忠氏(中央)=14日、富士宮市宝町の事務所で |
富士宮市長選で無投票当選により三選が決まった無所属現職の須藤秀忠さん(72)=自民、公明推薦=は告示日の十四日午後五時ごろ、遊説を終えて富士宮市宝町の事務所に到着。三百人ほどの支援者の前で陣営幹部から当選を伝えられると、万歳三唱で喜びを分かち合った。
同市長選での無投票当選は一九九一年以来二十八年ぶりで、四七年の初の市長選以降では四回目。
須藤さんは「三期で引退」を公言して臨んだ。当選後、「市議になったのは四十年前で、この間、女房につらい思いをさせた。罪滅ぼしをしたい。四年精いっぱいやって、若い人にバトンタッチする」と話した。
昨年十月の出馬表明直後に、連合静岡の推薦を獲得。年明けに自民、公明の推薦も得て、盤石の体制を築いて準備を進めてきた。無投票当選については「私に反対の方もたくさんいらっしゃると思う。その気持ちを奪う気はなく、意見を吸い上げて参考にしたい」と述べ、市政に批判的な勢力への配慮も示した。
◆老朽化病院など課題山積
富士宮市長選は、無所属現職の須藤秀忠さんが三期目の当選を果たした。
正式な立候補表明は昨年十月だったが、それ以前から政策を継続する意向を示す発言もしばしばあり、出馬は既定路線。水面下で対立候補を模索する動きがあったが、二期八年の市政が一定の評価を得ていたうえ、世界遺産・富士山や構成資産を活用した街づくりなどに期待する声などもあり、大きな流れとはならなかった。
三期で引退を公言する須藤さんだが、老朽化する市立病院の改築準備や大型工業団地の整備など、任期を超えて道筋をつけるべき課題は山積する。
増加する観光客を市域のにぎわいにつなげる施策も道半ば。市が目指す「国際文化都市」に向け、手腕が問われる四年間となる。
(前田朋子)