統一地方選2019

メニュー

湖西の未来(下) 市議選、14日告示

2019年4月12日

◆少ない若手 届かぬ現役世代の声

湖西市議会の議場。市議の高齢化が進んでいる=湖西市吉美で

写真

 昨年十一月、湖西市の定例会見で影山剛士市長が、議会の在り方についての質問に「若い世代が市政に参画する機会を増やすため、定数を減らして、一人当たりの報酬を上げるというやり方もある」と一石を投じた。が、その後、議会で議員定数や報酬について話し合われることはなかった。

 湖西市議の平均年齢は昨年四月現在、六七・二歳。今回の市議選は、定数一八に、二十人前後が出馬を予定する。四十代、五十代は各一人のみ。市政の若返りを狙い、議会改革を掲げて臨む予定者もいる。

 一九七二年の市制施行以降、議員定数は二〇〇三年に二二から二〇に減り、〇七年に一七、旧新居町と合併した一〇年に二四となり、翌年に一八となった。報酬は月額三十四万五千円、年間で約五百七十万円とこの間、変わっていない。七十代の現職議員は「六十、七十代ばかりなのは何とかしないといけない。報酬が低いのも理由だろうが、上げるのは許されないという市民感情はある」と話す。

 浜名湖青年会議所の中島治保理事長(37)は「若い世代が飛び込むには、議員は不安定な職業。そもそも若者が政治に触れる機会は少なく、興味がない人も多い」と考える。

 市政に関心を持ってもらおうと、市は二月、影山市長ら市幹部と話し合う「タウンミーティング」を平日夜に市内五カ所で開いたが、参加者の七割超が五十代以上だった。出馬を予定する四十二歳の男性は「子育ても仕事もこなす現役世代の声を、市政に届けなければ」と決意したという。

 湖西は人口六万人弱で市民一人あたりの所得(一五年度)が県内三位。裾野市は人口約五万一千人、一人あたりの所得が同一位と似ているが、議員定数一九で平均年齢は五四・四七歳。三十代が三人いる。報酬は月額三十二万五千円だ。最年少の村田悠(はるかぜ)裾野市議(31)は「報酬も高くなく、平均年齢が若い理由はわからない。私は、市を変えないといけないという強い思いがあって出馬した」と話す。

 駒沢大の大山礼子教授(政治学)は、地域や団体のいわば既得権代表が多い地方議会では住民が議会への関心と信頼を失い、なり手不足をより招くことが多いと分析する。「議会を変えるには住民側が議会を見放すのではなく、関わりを持ち、監視していくことが大切。投票することが初めの一歩になる」と指摘している。

(片山さゆみ)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
ページトップに戻る

Copyright © The Chunichi Shimbun, All Rights Reserved.