静岡市長、田辺さん3選 知事「批判を謙虚に」
2019年4月9日
静岡市長選で田辺信宏市長が得票率49・6%の辛勝で三選したことを受け、川勝平太知事は八日、県庁で記者団の取材に応じ、「二人に一人が現田辺市政に反対を表明した。市民の実態と受け止めている」と語った。
川勝知事によると、田辺市長は八日午前、県庁を訪れ「ノーサイドにしたい」と伝えた。川勝知事は「(不仲を)ちゃらにしたいなら、市民がつきつけた批判を謙虚に受け止め、話し合うことが大事」と語り、清水区の庁舎・病院移転や、歴史文化施設の整備計画を見直すよう、あらためて求めた。
川勝知事は、市長選で「どちらの陣営にもくみしない」と公言しながら、無所属で出馬した天野進吾さんの応援演説をした。
「批判は甘んじて受け入れる。情に流された。彼の孤軍奮闘は立派。十分に助太刀できなかったことを悔いているぐらい」と説明した。
田辺市長が、川勝知事を訪ねるのは二〇一六年一月以来。取材に「選挙のことはもう振り返らず、互いの立場を尊重してコミュニケーションできればという気持ちで出向いた」と語った。
庁舎・病院移転は「スピード感を持って市街地の活性化策を考えなければいけない」と話し、計画変更の考えはないことを強調した。
(広田和也、岸友里)