県議選 自民が過半数維持
2019年4月8日
◆「ふじのくに」議席減らす
県議選(定数六八)は、選挙戦となった二十三選挙区で投開票され、無投票当選十選挙区の十三人を含む全議席が決まった。
自民は公認(三十五人)と推薦(三人)を合わせ計三十八人が当選を決め、県議会最大会派の「自民改革会議」は引き続き過半数を占めた。
六人を擁立した立憲民主は一人が当選し、県議会で初の議席を獲得した。
公認、推薦合わせ計十三人を立てた国民民主は、八人(公認三人、推薦五人)の当選にとどまった。無所属議員とともに構成する第二会派「ふじのくに県民クラブ」の当選者は十八人になり、改選前の二十二人から議席を減らした。旧民進党が分裂した影響で、国民と立民がぶつかった選挙区が響いた。
公明は公認した五人が全員当選。三人を擁立した共産は新人一人が当選したが、目標の複数議席獲得はならなかった。
主要五政党が候補者を擁立し、夏の参院選の前哨戦となった静岡市駿河区は、自民二人と公明が議席を維持。野党で唯一、立民の新人が入った。女性候補三人が立った藤枝市は無所属現職と自民新人の女性候補が一、二位を独占。三議席目に自民現職が滑り込んだ。
投票率は二〇一五年の前回選を1・03ポイント下回る46・85%で、過去最低を更新した。当日有権者数は二百五十二万一千五百六十九人。
◆女性8人当選
候補者を男女均等にするよう政党に促す「政治分野の男女共同参画推進法」が成立して初の統一地方選で、県議選(定数六八)に立候補した女性十二人のうち八人が当選した。二〇一五年の三人(立候補九人)や一一年の五人(同十三人)は上回ったものの、識者は数値目標の設定などを政党に求める。
内訳は現職四人、新人四人。公認した政党別では公明が最多の二人、自民が一人、共産が一人。無所属は四人。
候補者に占める女性の割合は12・12%、当選者に占める女性の割合は11・76%。均等にはほど遠い。静岡大・井柳美紀教授(政治学)は「各党は女性候補を増やす努力をしたのか。特に圧倒的に候補者が多い自民での少なさが顕著。理念法に終わらないよう、次回選挙の目標値を早い段階で公表するなど、次につながる取り組みが求められる」と述べた。
欧米各国に比べ、女性議員はなぜ増えにくいのか。井柳教授は「夜の会合やあいさつ回りなど、従来の政治風土が壁になっている。子育てや家事と政治が両立できるよう、これまでの政治活動のあり方を見直す必要がある」と話した。
静岡県立大・犬塚協太教授(ジェンダー社会学)は努力義務にとどまり強制力を持たない共同参画推進法を「未完成で不十分な法律」と指摘。「議員や有権者が推進法の趣旨を理解し、(議席や閣僚などの一定数を女性に割り当てる)クオータ制など、より実効性のある内容へ改正することが必要ではないか」と語った。