静岡市長 田辺氏3選
2019年4月8日
3選が決まり、花束を手にする田辺信宏氏=7日午後10時25分、静岡市葵区の選挙事務所で(立浪基博撮影) |
静岡市長選は田辺氏が前県議の天野氏の猛追を手堅くかわした。元県労働組合評議会議長の林氏は出馬表明の出遅れが響いた形となった。
田辺氏は、財政の健全化と保育施設の待機児童ゼロを果たした二期八年の実績を強調。歴史文化施設やサッカー場の新設など、公共投資による地域の活性化を公約の柱に掲げ、優位に選挙戦を進めた。
いち早く立候補を表明した昨年十一月以降、自民や連合静岡に加え四百を超える団体、企業の推薦を得て早々に組織を固めた。告示後も、自民系市議の後援会をフル稼働させ、市内全域を精力的に回った。
当選確実を受け、田辺氏は葵区の事務所で「これからの厳しい市政運営を前に武者震いする思い。世界に輝く静岡を実現するため市の一体感をどう醸成させていくか。県と市の連携を構築していきたい」と述べた。
天野氏は、旧静岡市長や市議、県議として地方政治家歴半世紀を超える知名度を生かし、県市の連携強化や清水区の庁舎・病院移転凍結などを主に訴えた。終盤では川勝平太知事の支援も受けた。林氏は労働行政の確立を公約の柱に据えたが、共産支持層以外に浸透しなかった。
当日有権者数は五十八万四千八百三十七人。投票率は48・76%で、旧静岡・清水市が合併した二〇〇三年以降、過去最低だった一五年の前回選を0・34ポイント上回った。
田辺信宏(たなべのぶひろ) 57無現<3>
市長・保護司(元)静岡産業大講師・松下政経塾政経研究所副所長・県議・旧静岡市議▽早大▽葵区上足洗
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